ソフトバンク・モイネロ 両投げ披露 ファビアン斬り!三回左投げ→四回右投げ「いい思い出になりました」

 4回、右投げでファビアンを打ち取りバンザイするモイネロ(撮影・飯室逸平)
 右で投げるモイネロ
 左で投げ込むモイネロ
3枚

 「マイナビオールスターゲーム2025・第1戦、全パ5-1全セ」(23日、京セラドーム大阪)

 夜の大阪がざわついた。四回、簡単に2死をとったソフトバンクのリバン・モイネロ投手。右手の左投げ用グラブを外すと、手渡された右投げ用グラブを装着した。ファビアンに対し、右で投げ始めたから、スタンドは大きくどよめいた。「(スタンドの)反応はうれしかったですし、右でも投げられていい思い出になりました」と笑顔を見せた。

 スリークオーター気味のフォームから、初球、2球目の124キロ直球はボール。3球目、真ん中高めの124キロの直球で、三飛に仕留めて大歓声を浴びた。124キロに「当てるのが怖くてあんまり球速が出なかったのが残念」と悔しがり、「遠投とかも飛ぶのでそこそこ出る。普通の外野手くらいは右で投げられます」と豪語した。

 「もともと小さい時は右で投げていた。チャンスがあれば投げてみようと思っていました」と機会をうかがっていた。しっかり準備もした。1週間前、ホームでの試合前練習中。この日も借りた藤井のグラブでキャッチボールも行っていた。

 登録は左投げ左打ち。だが、6月6日のヤクルト戦(神宮)では右打席で安打を放ち、投手ながら左右打席で安打を記録したスイッチヒッターだ。この日は“スイッチピッチャー”。両投げ両打ちの能力を持つ。

 小久保監督の反応を聞かれて「リアクションはなかったけど、投球を見てクローザーにいけるかなと思っているかもしれないです」とニヤリ。左で先発、右でクローザー?壮大な夢を描いた。

 ◆スイッチピッチャー 左右両投げ投手で、日本プロ野球で知られるのは近田豊年(南海・ダイエー→阪神)。近田は87年度ドラフト外で南海(現ソフトバンク)入団。「左右投げ(左打ち)」で選手登録されていた。1軍登板は88年4月14日・ロッテ戦の1試合のみ。この登板では打者4人に対し、すべて左投げ。両投げを見せることはなかった。

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