日大三2年ぶり20度目の夏の甲子園 今大会無失点の東海大菅生から8得点!主将・本間が昨夏の雪辱3安打5打点 代表49校出揃う
「高校野球西東京大会・決勝、日大三8-4東海大菅生」(29日、神宮球場)
西東京大会の決勝が行われ、日大三が2年ぶり20度目となる夏の甲子園出場を決めた。左腕・上原慎之輔(3年)と149キロ右腕・藤平寛己(3年)のプロ注目投手を擁し、準決勝まで5戦無失点だった東海大菅生に対し10安打8得点。主将の本間律輝外野手(3年)が3本の適時打で5打点とけん引した。徳島大会は鳴門が3年ぶりの頂点に立ち、愛媛大会は済美がサヨナラ勝利で7年ぶりV。これで代表49校が全て出そろった。組み合わせ抽選会の本抽選は8月3日に大阪市内で行われる。
まばゆい日差しの奥から白球が向かってくる。「まさか自分のところに飛んでくるとは」。悲願の甲子園切符を自らのグラブでつかむ。涙があふれ出た。誰よりも雪辱に燃えた名門の主将。勝利の女神が、本間に特別な瞬間を贈った。
今大会無失点だった強敵の牙城を崩した。三回2死二、三塁。カウント1-2から上原の武器・スクリューボールが高めに浮いたのを逃さなかった。「甘い球は来ない中で何とか食らいつけた」と中堅右へ先制2点適時打を放ち、勢いに乗った。一時逆転を許すも、3-4の五回1死一、二塁では逆転の適時二塁打をマーク。八回にも藤平から適時打を放って計5打点と躍動し、九回に27個目のアウトとなる中飛を捕球して頂点に立った。
日大三の吹奏楽部で主将を務めた姉2人がきっかけで同校へ。小学4年時の17年には現日本ハム・清宮幸を擁した早実との春季都大会決勝を観戦。日大三が敗れたが、観衆2万人のナイター試合で繰り広げられた17-18の激闘に心を奪われた。
だからこそ、悔しくてたまらなかった。昨夏、その早実に決勝でサヨナラ負け。優勝校の記念撮影を涙を流しながら一塁ベンチで見届け、白窪秀史助監督から「あの光景を覚えとけよ」と言葉をかけられた。「あの光景が忘れられなかった。1年間、この試合(決勝)のために練習してきた」。全体練習後もバットが握れなくなるほど振り込んだ日々が報われた。晴れやかな笑顔で聖地へ乗り込む。
◆本間 律輝(ほんま・りつき)2007年6月12日、18歳。神奈川県相模原市出身。右投げ左打ち。178センチ、78キロ。小学2年から野球を始め、東林中では海老名リトルシニアに所属。日大三では1年秋からベンチ入り。目標の打者はOBの広島・坂倉。




