防御率0点台へ 大投手村山実の世界に挑むモイネロ 野田浩司氏「希望をもたせる投球は注目に値する」

 ソフトバンクのリバン・モイネロ投手(29)が防御率1・19という高いレベルの投球を続けている。仮に0点台に突入してシーズンを終えれば、1970年に阪神・村山実が記録した0・98以来の快挙。デイリースポーツウェブ評論家の野田浩司氏は「希望をもたせる投球をしているのは確か」と語り、密かに注目しているという。

 日本ハム戦での伊藤との投げ合いは迫力があった。ボールが走っているから捕手が高めに構えることが多く、カウントで追い込むと容易に三振するシーンが想像できた。見るからに打てないという感じだったが、それほどモイネロの調子はよかった。

 (10日の日本ハム戦は9回3安打13奪三振の完封で10勝目を記録。伊藤も完投したが、ソフトバンクが1-0で白熱の投手戦を制した)

 モイネロはリリーフの経験が長いこともあり、ここ一番でのスイッチの入れ方がうまい。この試合も終盤の八回になって3者三振。スキを見せなかった。

 投球の軸になるのはキレのいいストレートとカーブ。右打者へのチェンジアップも巧みに使い、打者を翻弄する。乗ってしまうと、もう手も足も出ない。そうなると対策の施しようがなくなってしまうという感じだ。

 6月6日の交流戦。ヤクルト相手に八回まで18奪三振という試合があった。モイネロが奪三振の記録(19)を塗り替えるかもしれないと知って中継を見たら、凄い投球をしていた。

 ところが、2点リードの九回表に代打が出されてお役御免。球数(117)が関係したのかな。

 (結局その試合は8回を3安打無失点。チームは土壇場で追いつかれ、延長戦で敗れたが、モイネロ自身の投球内容は抜群だった)

 ところで、今年のモイネロは防御率0点台の領域に入っていくのだろうか。少し気が早いが、そんな期待を抱いてしまうほど、凄い球を投げているように感じる。

 現実的には先発投手だけに厳しいとは思うが、希望をもたせる投球をしているのは確かで、注目には値すると思う。

 8月11日現在でモイネロの投球イニングは128回3分の1。防御率が1・19。次の登板から2試合連続完封勝利を収めたとしても、まだ0点台には届かない。

 登板数はあと6回かな。7回かな。登板間隔にもよるので何とも言えないが、緊張感ある優勝争いを味方に、このまま凄い投球が続けば面白い。

 仮に0点台で今季を終えれば、戦後ではあの村山実さん以来になる。1970年のシーズンに出した0・98。戦後唯一の0点台。これは僕が阪神へ入団したときに知ったもので、当時は“ありえない数字”と思ったものです。

 2023年の山本由伸は1・21で「近代野球最高の数字」と言われたが、少なくとも現時点でこの数字には手が届いている。注目の防御率は果たしてこの先、どうなっていくのだろう。

 ソフトバンクは日本ハムとの今回の首位攻防3連戦に有原、モイネロ、大関の3本柱を投入して全勝。一気に優位な展開に持ち込んだ。優勝争いからは目が離せないが、ハイレベルな個人記録も気になるところだ。

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