野村、ライバル菅野と「早く勝負を」
広島の野村祐輔投手(23)が13日、巨人との開幕3連戦(3月29日から東京ドーム)で、巨人のドラフト1位・菅野智之投手(23)=東海大=との直接対決を熱望した。東京都府中市の明大グラウンドでの自主トレを公開した野村は、大学日本代表でチームメートだった菅野に「早く勝負したい」と宣戦布告。1年遅れでプロ入りした大物右腕に、プロの先輩としての意地を見せる。
まだ寒さの残る午前8時ごろから、明大のグラウンドには多くの報道陣が集まった。その視線の先は、ランニング、キャッチボール、体幹トレーニングなど練習メニューを黙々とこなす野村の姿があった。
「今年は昨年と違って1月の初めから動けているので、1月の終わりごろにはいい動きになっていると思う」。2年目のシーズンに備え、調整は順調だ。
今季は個人的に楽しみが増えた。大学日本代表のチームメートで友人の菅野との再会だ。年末年始は予定が合わず対面できなかったが「新聞の記事になっているのは見ていましたよ」。自らも昨年は注目を浴びただけに「彼もいろいろプレッシャーになると思う。1年遅れてプロに入ったし」と心中を察した。
実は大学時代に菅野と投げ合ったことが一度もないという。それだけに「勝負をしたい」と直接対決を心待ちにしている。今季の開幕カードは巨人との3連戦。「(菅野と投げ合う)可能性がゼロではないでしょう」と声を弾ませた。
菅野の実力は認めている。「力があって、素晴らしい投手。僕にないものを持っている」。とは言うものの負けたくない思いは強いようで「機械(スピードガン)で測れないもので勝ちたい。例えば、コントロールやゲームメークですね。彼とは対照的なタイプなので」とにやりと笑った。
昨年はリーグ2位の防御率1・98をマークし、新人王を獲得した。今年は真価を問われるシーズンになるが「1年間やったので、ある程度のことは分かっている。だけど昨年のことが今年できるかは分からない。昨年の終盤は悪い形で終わったし」と慢心はない。
目標は去年の自分を超えること。「昨年は防御率がよかったので、もう一度いい状態にしたい」とした上で、昨季は172回2/3だった投球回を「200イニングを目指して頑張りたい」と誓った。2013年も前田健とともに野村が強力投手陣を引っ張る。