ドラ2・鈴木誠が好守でアピール
「広島春季キャンプ」(2日、日南)
広島のドラフト2位、鈴木誠也内野手(18)=二松学舎大付=が2日、チームの新人では最初に1軍の練習に参加した。インフルエンザに感染したフレッド・ルイス外野手(32)の代役として、野村謙二郎監督(46)の指名で2軍から抜てき。ランチ特打では前田智徳外野手(41)と“競演”した。
夢のような時間だった。ランチ特打の打席に、鈴木誠が立った。ただでさえ緊張しているにもかかわらず、隣のケージには通算2115安打の前田智。さらに野村監督、新井、緒方両打撃コーチ、石井内野守備走塁コーチらが見守る中、思い切りバットを振った。
柵越えはなかったが、自分を見失うことはなかった。打撃投手、打撃マシンを相手に計104スイングで安打性の打球は38本。「思ったより球が飛ばなかったので、体が開かないように逆方向を意識した」。冷静な判断で右翼方向へ鋭い打球を飛ばす新人に、新井打撃コーチは「物おじせず今ある姿を見せられるのはすごい」と評価した。
打席に入る前には、前田智から声を掛けられたという。「前田さんと一緒とは聞いていなかったので、びっくりした」と苦笑いを浮かべ、「(前田智から)『頑張れよ』と言われた」とうれしそうに振り返った。
守備練習ではショートに入り、菊池や安部らとともにノックを受けた。高校まで投手だった鈴木に、石井内野守備コーチは「俺が投手から転向したときよりいい。内野の動きはできているし、楽しみ」と絶賛した。
野村監督は「どんな打撃をするか見てみたかった。いい励みになったんじゃないか」と目を細めた。「1軍を体験できてよかった。2軍でしっかりやりたい」と鈴木。将来有望な金の卵がスターへの第一歩を踏み出した。