ルイスは好打のグリフィー!虎も警戒
「広島春季キャンプ」(7日、日南)
広島の新外国人、フレッド・ルイス外野手(32)が7日、今キャンプで初めてランチ特打を行った。46スイングで安打性の打球は9本と少なめだが、左右を問わず広角に打ち分ける打撃で、野村謙二郎監督(46)やライバルチームのOO7をうならせた。チームの得点力不足解消へ、期待が高まるスタートだ。
1球1球、じっくりと球を見極めバットを振った。決して大振りはしない。球をできるだけ手元に引きつけコンパクトに振り抜く。キャンプ初日から続く恒例のランチ特打。この日の主役は、初めて参加したルイスだ。
「今日はしっかりと球を捉えて、強い打球を打ち返すことが目的だった。感触は良かった」。46スイングで安打性の打球は9本。決して多くはないが、バットの芯で球を確実に捉え、はじき返した。
投手が左投手へと代わってからスイングの鋭さは増した。右方向へ引っ張るだけではなく中方向、そして左方向へ。左投手を苦にするそぶりも見せず、巧みなバットコントロールで周囲をうならせた。
リードオフマンとして期待される助っ人は、選球眼の良さもアピールだ。際どいコースのボールはことごとく見送り、手を出さなかった。これには、かつて1番打者を務めた野村監督も納得顔。「ボール球をしっかりと見送り、確かな球だけを打っていたね」と目尻を下げた。
ライバルチームの関係者も警戒を強めた。阪神の御子柴スコアラーは「広角に打っていた。(打ち方が)ケン・グリフィー・ジュニアに似ている」と話し、米大リーグでMVP1回、打点王1回を獲得するなどしたスター選手と重ね合わせた。中日の筒井スコアラーも「打つタイミングがいい」と話した。
キャンプ初日にインフルエンザに感染。5日に復帰した。この日の気温は11・4度。吹き抜ける風で体感温度はさらに低い。温暖なミシシッピ州出身だけに「寒さは好まないよ」。それでも、広角打法と選球眼の良さでリードオフマンとしての素質を十分に見せた。
ランチ特打とノック以外は別メニューだった。「指示があればいつでもOKだ」。首脳陣からゴーサインが出れば全体練習に合流する構えだ。
野村鯉の懸案事項は得点力アップ。背番号「41」への期待は高まるばかりだ。