「広島春季キャンプ」（７日、日南）

　広島のドラフト４位、下水流昂外野手（２４）＝ホンダ＝が７日、また一歩開幕１軍に前進した。休養日前の５日に続いて１軍の練習に参加し、この日から始まったシート打撃では３打数１安打をマーク。守備でも好プレーを見せた。練習後には８日の１軍参加が決定。現在は２軍から特別参加の形だが、次も結果を出し、１軍昇格を決める。

　さすが即戦力だ。シート打撃に抜てきされた下水流が、結果を出した。左腕の金丸と対した２打席目。高めの直球を振り抜くと、強烈な打球は三遊間を抜けた。首脳陣が見守る前での鮮やかな一打。実戦での勝負強さとともに、心臓の強さもアピールした。

　打つだけではない。左翼に入った守備でも魅せた。松山が放った左翼線への大飛球を、俊足を飛ばして背走キャッチ。攻守で並の新人ではないことを披露し、「ヒットを打ててよかった。守備も捕れてよかった。引き続き、頑張っていきたい」と満面に笑みを浮かべた。

　結果を出したことで、８日も１軍に参加することが決定した。野村監督は「打撃は社会人から来ているだけあって鋭い」と高評価。新井打撃コーチも「鋭くバットを振り切れる。試合でもそれを発揮できるか見たい」と期待感を高まらせた。

　他球団のスコアラーも熱い視線を浴びせた。中日の筒井スコアラーは「体は大きくないが、スイングがしっかりしている。守備範囲が広いし、面白いんじゃないか」とうなり、阪神の御子柴スコアラーも「足が速いし、対応力がある」と評した。

　毎日が１軍残留試験の状態だが、下水流は「１日１日やるだけ。結果よりもバットを振れていることをアピールしたい」と気負いはない。自分のスタイルを貫けば１軍昇格は見えてくるはずだ。