ルイス圧巻130m場外弾!調整遅れ挽回

 「広島春季キャンプ」(9日、日南)

 新外国人のフレッド・ルイス外野手(32)が、ランチ特打で右翼席場外に130メートル弾をぶち込んだ。この日は37スイング中、柵越えが5本。今回で3日連続の特打だが、柵越えは初めてだった。キャンプ初日にインフルエンザに感染し、調整の遅れが心配されたが、サイクル男が実力の片りんを見せ始めた。

 これまでとは明らかに違った。ルイスが力感のあるスイングで放った打球は、高い放物線を描いた。右翼方向にグングン伸びると、観客席を楽々越え、ブルペン前の防球ネットに突き刺さった。圧巻の130メートル弾。これがメジャーの実力だ。

 第2クール初日の7日から毎日、ランチ特打を行ってきたが、前日までの2日間はミート中心の打撃だった。しかしこの日は、来日後初の柵越えを披露。結局、37スイングで5本の柵越えを記録した。ルイスは「体の状態はいい。ただ自分の100の状態から見れば、まだまだだよ」と淡々と振り返った。

 インフルエンザに感染し、キャンプ初日から4日間は完全休養した。復帰後も体力が落ちたのか、力のないスイングで調整の遅れを露呈。新助っ人の無気力ともとれる姿に“外れ”のにおいが漂ったが、その心配はなさそうだ。バックネット裏から視察した阪神の御子柴スコアラーも「(打つ)ポイントに来ると飛ぶね」とうなった。

 野村監督はルイスに対し、足が速いアベレージタイプの打者と見ていた。しかしこの日、パワーも兼ね備えていることを認識した。うれしい“誤算”に「少しずつよくなっているね。第1クール分遅れているが、取り戻してくれると思う」と自然と笑みがこぼれた。

 今回のランチ特打で、ルイスは打撃投手として2軍から駆けつけた武内の球を打席で体感した。来日して初の“生きた球”だったが、「生きた球を見たいと思っていたのでよかった。タイミングとか、目の感覚とかを確かめたかったからね」と頬を緩めた。

 メジャーでサイクル安打を記録した実力は、こんなものではない。「早くピークを迎えてもしょうがない。シーズンに照準を合わせてやっていくよ」。クールな表情で、群がる報道陣の期待を封じ込んだルイス。悲願の優勝に導く救世主が、ゆっくりとベールを脱ぎ始めた。

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