マエケンどうした…2回0封も球威不足
「強化試合、日本代表0‐7広島」(17日、宮崎)
マエケン大丈夫?侍ジャパン初登板の前田健太投手が2回を2安打無失点ながら、140キロ以上の直球はなく最速137キロと止まり。いつもの躍動感あふれるフォームは見られず、球威不足を露呈し本戦に向け、不安ありありの厳しい投球となった。
“顔”で結果は残したが、内容を問うと合格点とはいえなかった。広島のユニホームを着て、侍打線と対決。初回。130キロ前半のストレートながら2死にこぎ着けるが、坂本には大きく抜けたチェンジアップを左肘に当てる死球。二回には制球の甘さをつかれ、内川、糸井に連打を許した。後続の中田、稲葉はテクニックで打ち取ったものの、マエケンらしさはどこにも見られなかった。
登板後のインタビュー、報道陣からは立ち投げのようだったとの声も飛んだ。これには「力を入れた投球はしなかったので。後は自分のペースを上げていくだけ」と苦しい弁明となった。
実は代表合宿初日から右肩の張りを訴えていた。そのため15、16日と2日連続でブルペンに入らず、ぶっつけ本番で臨んだ強化試合だった。
初の侍ジャパン入りへ、誰よりも意気込んでいた。例年にはない、早めの調整を心掛けた。例年は第2クールにブルペンで立ち投げを始めるが、今年はキャンプ初日から本格投球。第2クールにはシート打撃にも登板した。にもかかわらず、調子の上がってこない現状が気掛かりだ。
肩の状態についてマエケンは「大丈夫。普通に投げられた。いきなり無理するのもよくなかったから」と務めて冷静に話したが、首脳陣は不安の色を隠せない。
本来とはほど遠い内容との指摘を受けると東尾投手総合コーチは「あなたがどれほど詳しいか知らないですけど」と語気を強め「彼は(調整が)今からかもしれないし、(ほかの投手より)一歩遅れてくるかも」と不安視もした。
田中とともに先発軸として期待されるマエケン。初登板が予想される3月3日の中国戦まで残された時間はそう多くはない。