コイ侍斬り!鈴木将4打点&完封リレー
「強化試合、日本代表0‐7広島」(17日、宮崎)
カープが侍ジャパン相手に勝っちゃった!!広島とWBC日本代表との練習試合がサンマリンスタジアム宮崎で行われ、プロ7年目の鈴木将光外野手(25)の活躍などで快勝した。途中出場の鈴木将は、ダメ押し3ランを含む2安打4打点と大暴れ。7点を奪う猛攻に投手陣も完封リレー。赤ヘル軍団が投打に侍戦士を圧倒した。
全国的にはほぼ無名の若鯉らが、超一流がそろうジャパン投手陣を見事に打ちのめした。番狂わせの立役者は、1軍当落線上にいる7年目の鈴木将だ。一発を含む2安打4打点。力強いスイングで、侍戦士から「主役」の座を奪い取った。
五回だ。菊池の中前適時打でリードを3点に広げ、なお2死一塁。三回裏の守備から途中出場した背番号50は、竜の守護神・山井と対峙(たいじ)した。「山井さんはスライダーのイメージが強い」。狙いを定めた相手の得意球を迷わず振り抜く。打球は左中間を破る適時二塁打となり、貴重な追加点をたたき出した。
なおもどん欲に侍を撃つ。4‐0で迎えた九回2死一、二塁。相手は昨季の最多勝投手・内海だ。昨年9月13日の巨人戦で、記念すべきプロ初安打を記録した左腕。その高め直球を豪快に打ち返す。打球はグングン伸びて、そのまま左翼席に飛び込んだ。ダメ押しの3ラン。圧巻の一発にスタンドがどよめいた。
「『行けー』と思いながら走った。どこを狙うとか何を打つとかじゃなく、来た球にスイングするだけ。走者がいようがいまいが、僕は1球1球、1打席1打席が勝負。必死に、とにかく必死にやっていくだけです」
鈴木将はこう言って、口元を引き締めた。鋭い眼光と受け口から、付いた愛称は「シャケ」。05年高校生ドラフト1位の好素材はケガに泣かされ続けてきた。苦労してはい上がってきた「シャケ」は覚悟が違う。野村監督も「目立ったのは菊池、鈴木。秋の練習でやってきたことが順調に来ている。結果が出て自信になる」と名指しで称賛した。
鈴木将だけじゃない。初回にいきなりマー君からルイス、エルドレッド、松山の3連打で2点を先制。昨季、得点力不足に泣いた打線は、WBCに向けてハイペース調整を進める侍投手陣から7点を奪い、今季初の対外試合で圧勝した。
浩二監督との師弟対決を制した野村監督も、チームの成長に手応え十分だ。「うちの選手ができすぎ。使った選手は(開幕)ベンチ入りをかけて必死。選手を褒めてあげたい」。侍ジャパンが心配になるほど、全国へ“今年のカープは強い!”と印象付けたのは間違いない。