中日を戦力外となり広島に移籍した左腕・久本祐一投手（３３）の開幕ローテ入りが２７日、現実味を帯びてきた。今井啓介投手（２５）が左膝痛で開幕に間に合うかが微妙な情勢となり、先発５、６番目の男として一気に期待が高まってきた。この日、先発予定だったＤｅＮＡとの練習試合（宜野湾）は降雨のため中止となったが、今後のオープン戦で先発テストを行う予定だ。

　「先発・久本」が、キャンプ、沖縄遠征の最終日に来て、ますます現実味を帯びてきた。

　ローテ入りが確実視されていた今井が左膝蓋靱帯炎（しつがいじんたいえん）と診断され、１週間は経過を見ることになった。調整遅れは必至で、開幕に間に合うかは微妙な状況だ。

　前田健、大竹、野村、バリントンに次ぐ５、６人目の男は中崎、戸田が争っているが、現時点ではアピール不足。白羽の矢が立ったのが最強竜投の中で酸いも甘いも経験してきた３３歳左腕だ。

　チーム事情でいえば、先発に左腕を加えたいところ。久本が先発する予定だったＤｅＮＡとの練習試合は降雨で中止となったが、山内投手コーチは今後のオープン戦での先発テストに関し「どこかである」と明言した。

　中日を戦力外となり移籍した広島でキャンプ、実戦でアピールを続けてきた。１７日の強化試合・日本代表戦は１回を３人ピシャリ。２４日のオープン戦・日本ハム戦は２回６人を完全に抑えた。

　「中日なら他の人に任せていた部分も、広島ではどのポジションか分からないので、何でもやると思ってやってきた」。左打者の内角へのカットボールは、先発起用も想定して新たに習得した。準備に怠りはない。

　次戦は３月３日のオープン戦・中日戦で中継ぎ登板が予定される。「見返すとかいう気持ちは空回りするでしょうし、気負わずいく。ただシーズンになればそういう気持ちになるでしょうね」と腕をぶした。まずは古巣を斬り、さらに信頼をつかむ。