堂林、東出さんとCSに!復活信じて
広島の堂林翔太内野手(21)が2月28日、移動途中の那覇空港で、東出輝裕内野手(32)の穴を埋めるために若手の力を結集することを訴えた。前日に左膝前十字靱(じん)帯断裂の診断が下り、今季絶望となった東出の悲報。チームの精神的支柱を失い、ショックは大きいが、この苦境を菊池涼介内野手(22)や安部友裕内野手(23)らと乗り切り、奇跡の復帰を遂げた東出とCSで戦うことを誓った。
チームを襲った激震から一夜明けても、動揺は収まらなかった。次の遠征先の名古屋へ移動するため那覇空港に姿を現した堂林も、その1人だ。「今季絶望ですか…東出さん自身が一番悔しいと思っているはず」と、言葉を詰まらせた。
本来ならば2日に中日と対戦するナゴヤドームで東出と合流し、一緒にプレーするはずだった。しかし、2月24日に日南で行われていた2軍紅白戦で、東出は左膝を負傷。同27日に広島市内で精密検査を受けた結果、「左膝前十字靱帯断裂」と診断された。復帰までは8カ月から9カ月はかかる見込みで、今季中の復帰は絶望的となった。
堂林は常々、東出を兄貴分として慕っていた。今年も1月に東出の呼びかけで行われた日南での自主トレに参加。「自主トレ中は、たくさん話をしていただいた。『注目されている中でプレーするのは難しいが、はねのけないといけない』とか」と感謝していた。
チームの精神的支柱である選手会長の離脱は大きなマイナスだが、後ろを向いている暇はない。「東出さんの穴は簡単には埋められないけど、若い力を合わせ、頑張っていきたい」と前を向いた。もちろん同世代の仲間も同じ気持ちで、菊池は「できる限りしっかりやりたい」と力を込め、安部も「やるしかない」と言い切った。
野村監督は東出に代わるリーダーについて「1年間出場できる選手でないといけない」と語った。堂林も昨季チーム唯一のフル出場を果たし、新世代のリーダーとして期待されるが、「僕がやれと言えば意識するだろうが、そうやってやるものではない。すべてにおいて周りが認めないといけない」と奮起を促した。
東出を欠き、戦力ダウンは否めない状態で開幕を迎える。それでも堂林は「CSに、東出さんと一緒に行きたい」と力強く誓った。悲願のCS進出を成し遂げ、奇跡の復活を果たした東出と共に戦う。プリンスは熱い思いを胸に秘め、この苦境に立ち向かう。