下水流、開幕1軍へ3戦ぶり脱出打
「オープン戦、広島0‐4ソフトバンク」(5日、マツダ)
開幕1軍につなげる大きな一打だった。4点を追う九回2死。敗戦濃厚の状況だったが、広島のドラフト4位・下水流(ホンダ)には関係なかった。カウント2ボールからの3球目。甲藤のスライダーを左翼線に運ぶと、俊足を飛ばして二塁を陥れた。
対外試合では、2月26日の日本ハムとの練習試合(名護)以来、3試合ぶりの安打。「ファーストストライクを打つことを心掛けた」と笑みを浮かべ、野村監督も「下水流の粘りの1本は評価したい」と語った。
プロの壁にぶち当たり、頭の中が混乱していた。2日からの中日2連戦(ナゴヤドーム)で、計6打数無安打、4三振。3日の夜、チームは広島に戻り、下水流は翌日に東京で行われる新人選手研修会のために名古屋に1人で残ったが、街中を歩いているときも「野球のことが頭から離れなかった」という。
それほど切羽詰まった状況だった。だが新人選手研修会で久しぶりに同期と再会し、リラックス。「頭の中を整理できた」。原点に戻り、持ち味の積極的な打撃をしようと心掛け、結果を出した。
打球処理ミスも この日は八回に打球処理をミスする失策もあった。「次はしないようにする」と強い口調で言い切った下水流。他の外野陣との激しい開幕1軍争いは、これからが正念場。与えられたチャンスを逃さずモノにすれば、視界は開けるはずだ。