丸サヨナラ弾!記念試合に花添えた
「オープン戦、広島6-5DeNA」(10日、周南)
広島・丸佳浩外野手(23)が10日、DeNA戦(周南)の九回に左越えのサヨナラ本塁打を放った。この試合は「津田恒実メモリアルスタジアム」としてのオープニングゲーム。昨年の秋季キャンプから新井宏昌打撃コーチ(60)と打撃フォームの改造に取り組んできた背番号63が、記念試合に花を添えた。
ゆっくりと一周するダイヤモンドが心地良い。丸は本塁を踏むと、笑顔で待ち構えるチームメートの姿があった。一人一人と交わしたサヨナラ勝利のタッチ。自身のほおも自然と緩んだ。劇的勝利の立役者は丸だ。
5‐5で迎えた九回。先頭打者として打席に立った。カウント2ボールからの3球目。井納の外角高めの直球を逆らわずに流し打った。舞い上がった白球は、美しい放物線を描き左翼席の芝生に吸い込まれた。「有利なカウントだったので強く振ろうと。ちょっと上がり過ぎたかなと思った。ビックリした」。勝利をたぐり寄せる一振りに驚きながらも、その表情は充実感に満ちあふれていた。
昨年の秋季キャンプから新井コーチと打撃フォームを改造。ダウンスイングからボールに対してバットを平行に出すレベルスイングに挑戦した。当初は不慣れなスイングに戸惑ったが強い信念で“新井流”を継続してきた。同コーチは「逆方向に打てるのは成長の証し」と、まな弟子の活躍に目を細めた。
この日は五回に左翼線突破の二塁打を放つなど、5打席で4度出塁しすべて生還。1番の役割を果たしオープン戦首位キープに大きく貢献した。
外野の定位置はルイスとエルドレッドが決定的。残る1枠を争う。「フォームを変えてまだ日が浅い。崩れないように固めていきたい」と手綱を締めた。初の開幕スタメンへ歩みを止めない。