永川勝復活!3者連続K!開幕見えた
「オープン戦、広島1-2巨人」(14日、マツダ)
広島・永川勝浩投手(32)が3者連続三振を奪い、1イニングをピシャリと抑えた。オープン戦通算7回を無失点に抑え、3年ぶりの開幕1軍に大きく近づいた。精度の高いスライダーを武器にする新スタイルに、宝刀フォークの切れも抜群。通算164セーブの元守護神に、野村監督も「いい時に近い」と信頼を寄せた。
復活を確信させる文句なしの11球だった。五回に登板した永川勝が圧巻の三振ショーで開幕相手の巨人を斬り伏せた。
まずは先頭の寺内。2球で追い込むと、123キロフォークで空振り三振。実松には1度もバットを振らせず、4球目、外角直球で見逃し三振。矢野はスライダーで追い込むと最後もスライダーで空振り三振に仕留めた。
「きょうのような投球を続けられるように。スライダー、フォークと力も抜けていたし久しぶりに良かった。3ボールがなかったのが良かった」。元守護神は安どの表情を浮かべた。
オープン戦は5試合、7回を投げ無失点。課題の制球難も2日の中日戦(ナゴヤドーム)を最後に、3試合連続無四球と完璧な結果だ。
前回10日のDeNA戦(周南)で1回を抑えながら、野村監督からは「3ボールが2度」と指摘された。この日は常にストライク先行の満点投球。監督も「ゼロに抑え三振ばかり取って、いい時の永川に近い」と絶賛した。
岸本、福井、ミコライオ、横山とこの日は右のリリーフが登板。激しい競争の中で永川勝が一番の内容を残した。「開幕ベンチ入りメンバー(選考)でいい印象を与えた」と監督。3年ぶりの開幕1軍が大きく近づいた。
10年に内転筋を痛めて以降、故障や不振続き。昨季はプロ入り初の1軍登板ゼロに終わった。一から投球フォームを見直すため、昨オフは動作解析の専門家を訪ね「教科書に乗ってるようなお手本のようなフォーム」に大改造。「これでダメなら終わり」と、背水の覚悟で変身を果たした。
豪快さこそ薄れたが、切れるスライダーを新たな武器とし、制球力も段違いにアップ。通算164セーブを挙げてきた右腕は、セットポジションから丁寧に投げ込む新スタイルをつかんだ。
「(開幕1軍に)残れるように。1試合でも(ミスを)やったら、終わりなので続けていきたい」。見えてきた開幕1軍にも永川勝は気を引き締めた。