不振の堂林、得意宮国打ちで快幕じゃ!
広島の堂林翔太内野手(21)が“宮国撃破”で開幕白星に導く。28日は東京ドームで全体練習を行い、最終調整を行った。巨人との開幕戦(29日・東京ドーム)には「7番・三塁」で2年連続の開幕スタメン出場が濃厚。オープン戦は打率・164と絶不調だったが、この日の打撃練習で、状態が上向きであることを確信。プリンスが開幕戦で不安を払しょくする。
フリー打撃を終え、ベンチ裏から出てきた表情は明らかに険しかった。開幕前の最終調整は終わった。あとは本番を待つだけ。打撃不振に陥り、結局そこから抜け出せずに開幕を迎えることになった堂林。ウソでも笑うことはできないほど、追い込まれていた。
それでも、弱音を吐くことはなかった。「144分の1で(気持ちが)高ぶっていてはダメ。昨年はどうかな、どうかなというのがあったけど、(今年は)緊張はないです。プレッシャーなんてないですよ、何年もやってきたわけでもないから」。自らを奮い立たすかのように、強気な言葉を口にした。
オープン戦での打撃は散々な内容だった。17試合に出場し、打率は・164。持ち前のフルスイングが影を潜め、本塁打も0本。2打点を挙げたが、いずれも犠飛で、適時打を1本も打つことができなかった。
21歳の若手が、この状況に不安にならないはずがない。愛弟子の苦悩に、野村監督は「誰でも打てない状態で開幕を迎えるのは不安。しかも堂林の場合は、他の選手よりも注目されている部分があるし」と心境を察した。しかし「今は新井打撃コーチと必死に打撃練習に取り組んでいる。まあ、普通に見守るよ」と不振を脱却してくれることを信じている。
待ったなしの状況だが、堂林にとっていいデータがある。巨人の開幕投手の宮国は、昨年10打数3安打で対戦打率・300をマークした相手だ。堂林は「どの球種でもストライクを取れる投手」と分析し、「初球は8割方ストライクを取りに来る。そのファーストストライクをいかにして仕留めるか」と攻略法を明かした。
昨年に続き、「7番・三塁」で開幕スタメンに名を連ねる可能性が高い。「状態は上がってきている」と自らに言い聞かせた堂林。違うのは背番号が7に変わっただけではない。打撃でも成長した姿を見せる。