丸、勝利を“足”スト「単独で走った」
「広島1-0ヤクルト」(4日、マツダ)
広島・丸が足で虎の子の1点をもぎ取った。0‐0の五回先頭、四球で出塁し、1死後、エルドレッドの4球目だった。果敢にスタートを切ると、エルドレッドが打ち、打球は左翼前への安打。ランエンドヒットの形になり、丸は三塁へ。左翼・ミレッジの送球が三塁ベンチ前へとそれると、一気に快足を飛ばし、先制のホームへ滑り込んだ。
「カウントを見て単独で走った。投手が(それた送球を)追いかけて、(捕手の)相川さんもホームにいたので行けると思った。(走塁は)キャンプから意識して取り組んできたところ」
開幕から適時打が出ず、4連敗(1分け)し、この日もなかなか1本が出ない展開。足で打開し、勝利を呼び込んだ丸は胸を張った。
野村監督も「ランエンドヒットになり、動いて相手のミスを誘った。丸のファインプレー。丸をたたえたい。苦しい時こそ勇気を出して打席に立ち、走れと伝えていたのが出た」と称賛した。
今季は開幕から主に2番に入る。三回には右線三塁打。七回には送りバントを決めるなど、打ってつないで走れる攻撃のキーマン的存在だ。
打席での登場曲はずっとクラシック曲。ただ昨季のラフマニノフのピアノ協奏曲から、今季は「より球場に響く」チャイコフスキーのバイオリン協奏曲に変えた。「球場の雰囲気をガラリと変えたいんですよ」と言う丸が負の流れを断ち切った。