カープや~っと勝った!バリありが投
「広島1-0ヤクルト」(4日、マツダ)
ようやく広島が今季初勝利をつかみとった。立役者はブライアン・バリントン投手(32)。7回4安打無失点の好投だ。相手の敵失で挙げた虎の子の1点を、粘りの投球で死守。開幕から引き分けを挟んで続いていたチームの連敗は、4で止まった。チーム浮上へ、この勝利で勢いに乗る。
ベンチでその瞬間を迎えたバリントンは、満面の笑みを浮かべてナインとタッチを交わした。「(チームが)やっと1勝できた」。今季、初めて味わう歓喜の瞬間。その右腕で開幕から続くチームの連敗を4で止め、初勝利へと導けたことが、何よりうれしかった。
威風堂々とマウンドに立ち続けた。初回、田中浩に右前打を浴び、いきなり先頭打者を背負った。しかし後続をピシャリと封じ、無失点スタートだ。
三回、この試合最大のピンチでも動じるそぶりは一切なかった。内野安打と自らのボークなどで1死三塁とされたが、田中浩を投ゴロ。最後は上田を外角低めのチェンジアップで遊ゴロに打ち取った。
五回以降はさらにギアを上げた。許した安打はわずか1本。小気味よいリズムでテンポ良く投げ込み、ストライク先行の投球を続けた。
「負けが込んでいるときは、逆にシンプルに考えるようにしている。とにかく自分の投球をして、打者のバランスを崩すことを心がけた。制球はあまりよくなかったけど、最後の3~4回は自分のリズムで投げることができた」
ヤクルト打線から凡打の山を築き、スコアボードに0を並べた。八回から今村にマウンドを譲ったが、7回4安打無失点、91球。堂々たる投球だった。
背番号42の粘投に野村監督はニンマリ顔だ。「一にも二にもバリントンの活躍が大きい」と、称賛した。
日本球界でプレーし、今年で3年目。広島の生活にも慣れ、充実した日々を過ごしている。2日には、球場近くにオープンしたアメリカ生まれの会員制倉庫型スーパーを家族で訪れた。「子ども用の雨具とベーグル、コーヒーや果物を買ったよ」。家族サービスで英気を養った。
「1試合1試合を(大事に)戦っていく。自分の投球を信じて投げる」と力を込めたバリントン。頼れる助っ人の、力強い言葉が頼もしい。