松山V弾で鯉4位浮上!エルドに続いた
「中日4‐5広島」(12日、ナゴド)
広島が2者連続アーチで逆転勝利を収めた。1点を追う八回、ブラッド・エルドレッド内野手(32)が同点弾を放ち、続く松山竜平外野手(27)が右中間に決勝ソロをたたき込んだ。一進一退の試合展開に、松山が自身2年ぶりとなる一発でケリをつけた。これで最下位を脱出し、4位浮上。マエケンが先発する13日も勝って、2カード連続勝ち越しを決める。
全速力で一塁ベースを回り、スタンドに届いたことを確認すると、松山は両手を広げて万歳し、手をたたいて歓喜を表した。「興奮して、何を打ったのかも覚えていない」と言う値千金弾。1点を勝ち越された直後の八回、鯉のドラマが待っていた。
まず1死から4番・エルドレッドが左翼1階席上段へ特大同点弾をたたき込む。これに「僕で止めたくなかった」と松山が乗った。武藤の3球目、133キロスライダーを一振り。打球は竜党の悲鳴が響く中、ライナーで右翼席に突き刺さった。
六回の第3打席では1死満塁で右翼ポールをわずか外にそれる大ファウルを放っていた。だが最後は三振。「打ち返してやろう、と思っていた。甘い球が来たら、どんどんしばいて行こう」と、強い気持ちで打ち直した。
「やっと出た」と安どする今季1号は11年10月8日、ヤクルト戦(神宮)以来の一発だ。昨季はオープン戦首位打者ながら、シーズンでは低迷。「悔しさは忘れていない」と雪辱を期す今季は、好調を維持する。
四回の技ありの左前打を合わせて、今季4度目のマルチ安打。打率も・370に上げた。「今年はポジションを取る。栗原さんや外国人を超えるつもりで、僕は打つしかない」と意気込む27歳。開幕から常時スタメンではないが、与えられた出場機会で確実に結果を残している。
ぽっちゃり体形とパワーから愛称は「アンパンマン」。家に帰っても優しいパパだ。「僕のことを見ると『あーぷ、あーぷ』(カープ、カープ)って言うんですよ」と2歳の長男の成長に目尻を下げる。かっこいい「あーぷ」のパパの姿を存分に見せつけた。
昨季も2勝6敗1分けと負け越すなど、“鬼門”ナゴヤドームで今季初戦を逆転で取った意味は大きい。野村監督は「2人があそこでまさかポンポンと。この広い球場で本塁打2本で逆転できるとはね」と笑いが止まらない。最下位を脱出し、単独4位浮上。13日はマエケンで借金完済といきたい。