マエケン8回0封!竜連倒2位浮上じゃ
「中日1-6広島」(13日、ナゴド)
赤ヘルが中日を連倒、勝率を5割に戻し、2位タイに浮上した。立役者はエース・前田健太投手(25)だ。8回2安打無失点の竜斬りで連勝、2勝目を挙げた。八回には自身初となる三塁打を放ち追加点を挙げるなど投打に魅せた。昨季まで苦汁をなめ続けた鬼門・ナゴヤドームが今季はウハウハの“喜門”じゃ。
世界を相手に戦った男は今季、手が付けられない投手に変ぼうした。広島・前田健が8回わずか2安打に抑え無失点。「調子自体は前の(試合の)方が良かった」と、本調子ではない中、竜打線をほぼ完ぺきに料理した。
初回から先制の2点をもらい「いいリズムで投げられた」と気持ちも乗った。最速148キロにスライダーも切れ、凡打の山。三~六回まで12人をパーフェクトに封じた。
4‐0の七回、先頭・ルナに中前に運ばれた後、2死三塁としたのが唯一のピンチ。ここは井端を147キロで二ゴロに斬ると、グラブを叩き「よっしゃ」と声を張り上げた。
役者は投げるだけじゃない。八回には得意のバットで魅せた。1死二塁で打席に入る前、新井打撃コーチから「そろそろ1本」と指令が飛んだ。武藤の初球を狙い撃つと打球は右翼線へ。右翼・藤井が届かず後逸し、打球が外野を転がる間に一気に三塁を陥れた。自身プロ初、広島の投手では10年の篠田以来の三塁打でダメ押しの追加点をたたき出した。
WBCで早期に仕上げたため、まだ球数が増えれば右腕が張る。この日は110球をメドに登板し、8回で111球。完封こそお預けとなったが見事に仕事をこなし今季2勝目。10年の開幕戦以来勝っていなかったナゴヤドームでの自身連敗も4でストップした。
3試合、23回を投げ防御率0・39。「WBCのマウンドを経験したのは大きい。自信も余裕も去年よりある」と、世界の舞台がワンランク上の投手へと成長させた。
WBCから帰ってから「僕もメジャーに行きます。今の笑うところですよ」と笑顔でジョークを飛ばす。あくまで「ジョーク」ではあるがWBC前には口にしなかった「メジャー」の言葉。WBCのベストナインにも輝き、視野が広がったのは間違いない。
野村監督は「エースらしい内容」と褒め称えた。「5割で喜んでられない。貯金生活をすれば上位につながる」と前田健。14日先発の19歳・戸田が流れに乗り一気に貯金をつくる。