大竹、鯉の連敗止めた!指揮官ベタ褒め
「広島1-0DeNA」(17日、マツダ)
広島・大竹寛投手(29)が7回3安打無失点と好投。2勝目を手にした。序盤の三回までは毎回走者を背負う苦しい立ち上がりだったが、要所を締め無失点。四回以降は、持ち味の低めを丁寧につく投球で凡打の山を築いた。3試合を投げ、防御率は1・25と抜群の安定感。頼もしい右腕が2位浮上へ導いた。
迷いなく放たれた白球は、石原の構えたミットに狂いなく吸い込まれた。持ち味の打たせて取る投球を発揮した大竹。勝利の立役者は、背番号17にほかならない。
三回まで毎回走者を背負った。三回は2四球などで2死満塁のピンチ。「ちょっと乱れてしまった」。迎えたラミレスへは内角のシュートで勝負。三遊間を突破するかに思えた打球は堂林が横っ跳びで好捕。「あのプレーは大きかった。助けてもらいました」。二塁封殺するビッググレーに救われ、無失点でこの回を切り抜けた。
序盤で迎えた最大のピンチを乗り切ると、本来の姿がマウンドに戻った。直球を軸にカーブとチェンジアップを駆使。緩急を使った投球で凡打の山を築いた。四~六回まで三者凡退投球。七回は死球などで得点圏に走者を進めたが、本塁を踏ますことはなかった。
リードは初回のわずか1点。緊張感漂う登板にも「マウンドに上がるとそれは感じない。とにかく集中して投球することだけを考えた」。7回3安打無失点。無心となり、ただ目の前の打者を抑えることだけに集中した。
試合前、必ず行うルーティーンがある。ベンチにもられた塩を体にふりかけるのだ。「いろいろな思いを込めて」。その試合の勝利を願い旧広島市民球場時代から始めた儀式。10年に右肩を故障して以降は、ケガなく投げ終えられますように‐との願いも込めている。
背番号17の力投に野村監督はべた褒めした。「安定感があった。しっかりと試合を作ってくれた」と頬(ほお)を緩めた。
試合後は、18日のDeNA戦にプロ初先発する武内に「僕よりもいい球を投げている。持ち味を十分に発揮してほしい」とエールを送った。
今年30歳を迎え、チームリーダーとしての自覚も芽生えた。さらに15日には国内FA権を取得し、一流選手の証しも得た。前田健、バリントンとともに広島の先発陣を支える大竹。これからもCS進出のため、フル回転する。