あぁ投壊…KOの久本「申し訳ない」
「広島1‐8巨人」(19日、マツダ)
野村鯉が巨人の一発攻勢に打ちのめされた。1点を先制したが、投手陣が崩壊。三回に移籍後初勝利を目指した広島・久本祐一投手(34)が坂本に痛恨の満塁本塁打を浴び、八回には菊地原毅投手(38)が阿部に3ランを食らった。今季ワーストの8失点で完全に力負けの内容だったが、1敗は1敗。次にやり返せばいいだけだ。
悔やんでも悔やみきれない1球だった。1点リードで迎えた三回。2死満塁の大ピンチで、久本が投じたスライダーは甘く入った。さすがに坂本はその失投を見逃してくれず、快音を残した打球は左翼席へ一直線。ベテラン左腕はマウンド上で険しい表情を浮かべ、うなだれた。
この痛恨の満塁本塁打で、流れは相手に奪われてしまった。移籍後初勝利を目指した久本だが、ショックは大きく、五回に4連打を浴び、無死満塁としたところで交代を命じられた。
広島に移籍後、初のKOでの降板。この日は最速146キロと状態はよかったが結果がついてこなかった。「(坂本に)打たれた球はストライクを取りに行ってしまった。あの1球はもったいない」と振り返り、「チームに申し訳ない。調子がよくても抑えられるものではない」とつぶやいた。
野村監督もさすがに完敗を認めるしかなかった。「先制していい形だったが、一気に4点は厳しいですね」とため息。山内投手コーチも「(巨人打線の)ふた回り目に内角を多めにいったところを狙われた感じがした。(坂本には)本塁打を打たれない球の選択もあったでしょうけど…」と唇をかんだ。
悪い流れはリリーフ陣も引きずった。八回には2死二、三塁から、菊地原が代打の阿部に3ランを浴びた。さらに九回には中崎が無失点に抑えながらも、2死から2連打、四球でピンチをつくったことに野村監督は激怒。「試合後、打たれたらどうしようではなく、どうやって打ち取ろうと(考え方の)話をした。先発が不足して中継ぎ陣も大変だと思うが、1人でも多く出て来て欲しいんだけど」と嘆いた。
投手陣の崩壊が目立ったが、打線も二回以降は3安打と沈黙。野村監督は「ウチのチームの欠点だが、突破口を開く選手がいない」と厳しい口調で反省を促した。投打とも王者巨人に圧倒された1敗だが、これに屈するわけにはいかない。次こそは逆に圧倒する勝利を見せるつけるしかない。