中村恭が熱投 ローテ崩壊危機救った
「広島5‐4巨人」(21日、マツダ)
広島・中村恭の熱投が劇勝を呼び込んだ。今季初登板は新人の11年以来、2年ぶり4度目の先発。初回先頭・長野の初球にこの日最速148キロを投じ、二ゴロに仕留めると乗った。寺内を146キロで一ゴロ。坂本を148キロで二ゴロとねじ伏せた。
「緊張はありませんでした。すごい打つなあ、と思いました」と強心臓でピンチも動じない。
先制点をもらった後の二回は2安打を浴びたが無失点。三回は自らの悪送球で1死満塁を背負ったが、阿部の同点犠飛のみで切り抜けた。四回以降も粘り続けた。
昨季まで制球難のためセットで投げていたが、今春キャンプで山内投手コーチから「セットでも(制球が)悪いじゃないか」と言われワインドアップに。開幕1軍こそ逃したが2軍でフォームを固め、持ち味の力強い球を取り戻した。
悔やまれるのが1‐1の七回だ。先頭・長野の投前への当たりを安打にしたのをきっかけに坂本に勝ち越し打を浴びた。さらに阿部に2ランを被弾。128球、6回1/3を9安打4失点で降板した。
「七回に点を取られたのが次への課題」と反省。それでも野村監督の評価は上々だ。「緊急事態の中、自信を付ける投球をした。次も期待」と前田健、野村が離脱したローテを救った孝行息子に目を細めた。
先発不足が心配された23日からの9連戦は前日の中崎に続き、中村恭がローテ入り。次戦こそ念願のプロ初勝利をつかむ。