ルイス史上10人目!来日1号が先頭弾
「広島7-1中日」(28日、マツダ)
広島のフレッド・ルイス外野手(32)=前メッツ=に来日1号が飛び出した。初回の先頭打者で右翼席へ運んだ。来日初本塁打が先頭打者弾というのは、外国人選手史上10人目。球団では2人目の記録となった。新助っ人の一発を含む4安打の活躍で波に乗ったチームは、13安打7得点で快勝した。
青空に乾いた打球音が響いた。鯉党が待ちわびていたアーチが、本拠地の空にかかった。開幕から25試合目で飛び出したルイスの来日1号。打撃不振にあえぐ助っ人が復活ののろしを上げた。
初回、山内の真ん中高め139キロの直球を鋭いスイングで振り抜いた。舞い上がった打球はグングン伸びて右翼席へ突き刺さった。
「どこまで飛んだかわからなかった。でも(本塁打は確実だったから)ファン以外の人は捕らないと思った」
来日初本塁打が、先頭打者弾というのは、外国人選手史上10人目。セ・リーグでは5人目、広島ではハワイ生まれの日系2世、銭村健四(ぜにむら・たてし)以来、60年ぶり2人目の快挙だ。
二回には右前打、四回には一塁線突破の二塁打を放ち、サイクル安打に王手をかけた。07年のジャイアンツ在籍時、初本塁打を放った試合でサイクル安打も成し遂げた。「3打席目に二塁打を放った後、頭によぎったよ」。だが、六回は中前打。七回は空振り三振に倒れ、日米での偉業達成はならなかった。それでも、4安打1本塁打1打点。今季最多3万1723人が詰め掛けた本拠地で、チームを勢いづけた。
開幕から打撃不振が続いていた。開幕戦は3番だったが、その後は左投手が先発する試合で、スタメン落ちを経験した。
17日のDeNA戦前には早出特打を行った。米国時代と現在の打撃を映像でチェックするなど、修正を図ってきた。開幕から約1カ月が経過。「状態は上向き。相手がどう打ち取ろうとしているのか傾向も頭に入ってきた」と手応えをつかみ始めている。野村監督も「モヤモヤしていたものが吹っ切れたのでは」と今後の活躍を期待した。
助っ人のお目覚めに打線も呼応。13安打7得点で今カード勝ち越しを決めた。「打席で強く振ることだけを考えていきたい」。苦しみ抜いた末に出た一打の感触を思い出すかのように、言葉に力を込めたルイス。ここから本領発揮だ。