広瀬、走者一掃打!4番がエース助けた
「阪神0-5広島」(1日、甲子園)
力強く二塁塁上で拳を突き上げた。広島のエース前田健を援護する貴重な一打を、4番広瀬が放った。
三回、梵の押し出し四球で先制して迎えた2死満塁。榎田の2球目、135キロ内角低めのシュートを鋭く振り抜いた。甲子園の夜空に響いた乾いた快音。打球は阪神ファンの悲鳴とともに右中間を突破し、走者一掃の3点適時二塁打となった。
「一振りで仕留められた。1点差だと、マエケンも精神的に違う。安心して投げて欲しかった」。
序盤で試合の主導権を確実なものとし、エースを勇気づける一振りに、自然と笑みがこぼれた。野村監督は「広瀬が打ってくれて4点が入った。マエケンもあれで楽になったんじゃないかな」と手放しで褒めた。
「平常心」が好調の要因だ。4月21日の巨人戦(マツダ)の第4打席、中前打から始まった連続出塁記録は、26日の中日戦で15に到達。プロ野球新記録を樹立した。
23日のヤクルト戦(神宮)からは好調を買われ、4番を務める。しかし「4番目の意識。どんな打順でも力むことなくやるだけ」。いかなる状況でも自然体を貫く精神力で、好結果を生み出している。
八回には中前打を放ち、複数安打を記録。それでも「今日はマエケン。とにかく勝ちが付いてよかった」と、自らの打撃よりもエースの勝利に声を弾ませた。頼もしい背番号26が、勝利への道を切り開く。