野村2軍で7回1失点!12日1軍復帰も
右肩痛で2軍調整中の広島・野村祐輔投手(23)が、早ければ12日の中日戦(ナゴヤドーム)にも1軍復帰する見通しであることが2日、分かった。この日、ウエスタン・オリックス戦(神戸サブ)に先発し、7回を4安打1失点で8三振を奪った。持ち味の制球力も良く、復調アピールに成功した。
暖かい日差しを浴びながら、野村が快投した。剛速球はないが、この右腕には抜群の制球力とキレがある。持ち味を十分に発揮し、7回1失点。三振も8つ奪った。右肩痛からの復活を印象づけた。
初回こそ「慎重になり過ぎた」と、2本の単打などで1点を失った。二回以降は尻上がりに調子を上げた。三回は三者連続三振。梶本には2ストライクから外角へ139キロ直球で勝負。バットはピクリともせず見逃し三振を奪った。
四回の1死一、二塁では落ち着いて後続を打ち取り、ピンチを脱出。五回以降は、許した走者は1人のみと、凡打の山を築いた。最速は140キロ。それでも「スピードは気にしない。球速は出ていなくても打者を差し込めた」。低めを丁寧についた納得の96球だ。
今季は1軍で2試合に先発し、2敗。ともに5回でKOされた。さらに状態が万全でない中、直球のキレを追い求めた影響で右肩痛を発症。4月13日には出場選手登録を抹消され、「右肩関節唇損傷」と診断された。
このケガでフォームを再考した。両足を地面に付けたままキャッチボール。足を動かさないことで体重移動を意識し、逆に下半身をしっかりと使う投げ方を体に覚え込ませた。「これまでは上体だけで投げていたが、今は下半身が使えている」。
昨季は前半戦だけで9勝をマークした。今年はまだ未勝利。それでも「去年のいい時期よりも投げ方はいい」と手応えをつかんでいる。
7回1失点の好投に小林2軍投手コーチは「格の違いを見せつけた。いい投球をした」と納得顔。報告を受けた1軍の山内投手コーチは「交流戦(14日~)を考えていたけど、その前になる可能性がある」と交流戦前、セ・リーグ最後の対戦となる12日・中日戦での復帰登板を示唆した。
まだ右肩の痛みが完全に消えたわけではないが、野村自身は気にしていない。「投げるときには痛くない。上(1軍)で投げたい気持ちはある」と、復帰への意欲を示した。故障を乗り越え、一回りたくましくなった背番号19が間もなく帰ってくる。