野村鯉サヨナラ負け…東京D11連敗
「巨人5-4広島」(3日、東京ド)
またも“鬼門”を突破できなかった。一時は逆転する粘りをみせたが、広島・松山の3失策など守備が乱れて追い付かれ、延長十回にサヨナラ負け。これで東京ドームでは昨年から1引き分けを挟んで、11連敗となった。勝てば4月18日以来の勝率5割復帰だったが、それも霧散。4日の第2戦こそ、Gの本拠地で勝利を刻みたい。
東京ドームの呪縛なのか。ミス連発で自ら勝利を手放してしまった。「巨人相手にこれだけミスをしたら勝てない。無駄な点を与えてしまった。普通のゴロをタイムリーにしてしまったり、(延長十回に丸が)目測を誤って二塁打にしてしまったり…簡単に点数を相手にやりすぎ」。野村監督は怒りを押し込めるように、敗因を振り返った。
本来ならば「4‐2」で勝っているはずだった。しかし結果は今季3度目のサヨナラ負けで、東京ドーム11連敗。守備が乱れて4失策。しかもそのうち2つが適時失策だった。
最初の痛いミスが出たのは、逆転した直後の五回の守備だった。2死二塁で、寺内の打球は一塁線へのゴロ。これで3アウトかと思った瞬間、松山が捕球できず、その間に二塁走者の生還を許した。そして六回には阿部の本塁打で1点差に迫られ、なお1死満塁のピンチで、脇谷のゴロの打球を処理した松山が今度は本塁へ悪送球。これで同点に追いつかれた。
本職は外野手だが、言い訳はできない。松山は「何も言えません」と消え入るような声で、ぼう然と前方を見つめた。野村監督は「野球にエラーは付きものだけど、2点あげているから。普段試合を意識して練習しているのか問われるよ」と語気を強め、高チーフ兼守備走塁コーチも「難しいプレーではない。外野手だけど練習から一塁を守っているんだから」とため息を漏らした。
失策とは記録されなかったが、延長十回の丸の守備も痛かった。亀井の飛球に対し、前に出かかってから慌てて後方へダッシュ。結局頭上を抜かれ、二塁打にしてしまい、サヨナラ負けにつながった。丸は「バットの先だと思ったけど想像以上に伸びた」と唇をかみしめた。
打線はチャンスで得点し、投手も抑えた。それでも勝てなかった野村鯉。宿舎へのバスに乗り込む直前、指揮官はつぶやいた。「今日はミスで負けた」。悔やんでも悔やみきれない敗戦だった。