栗原に愛のムチ!指揮官2軍降格を決断
「巨人1-0広島」(5日、東京ド)
今季2度目の完封負けで東京ドーム13連敗を喫した試合後、野村鯉に激震が走った。首脳陣による緊急ミーティングで、開幕から調子が上がらない栗原健太内野手(31)の2軍降格が決まった。この日は「7番・一塁」でスタメン出場したが、4打数無安打。九回には1死満塁の一打逆転の場面で凡退した。代わりに新人の上本崇司内野手(22)が初昇格する。
点差はわずか1点。九回、広島に絶好のチャンスが訪れた。敵失と広瀬の左前打で無死一、三塁。ここで迎の代打に送られたのは松山だったが、遊ゴロで1死一、二塁になった。しかし続く代打・丸の四球で1死満塁。今度は一打逆転のおぜん立てが出来上がり、打席には栗原が立った。
鋭い眼光で、気合は十分だった。だが甘い直球を打ち損じてファウルにしてしまうと、最後はボール気味のスライダーを引っかけて三ゴロ。「捉えきれずにファウルにしてしまっている。一発で仕留めないといけないと思っているけど、なかなかね…」。球場を引き揚げる背番号5の後ろ姿は寂しげだった。
投手陣の好投を無駄にしてしまう、今季2度目の完封負けだ。内海に対し、丸を外して全員右打者を並べたが効果なし。さらに九回の大チャンスで勝負弱さを露呈した。野村監督は「右打者で打線を組んだけどね。(内海は)そんなによくはなかったように見えたけど」とため息。さらに「広瀬が頑張って一、三塁にしてくれたのに、1点も取れないとは」と、九回の攻撃を悔やんだ。
試合後には首脳陣が2日連続の緊急ミーティングで大きな決断を下した。野村監督は「(栗原)健太は2軍で調整させる」と明言。「相手が左投手の時に(スタメンで)使ってきたが、左右に関係なく、試合に出て欲しい選手。今日だけでなく今までの内容を見ても、彼らしい打撃ができていなかった。2軍でたくさん試合に出てもらって、最短(10日間)でまた上がってきてもらいたい」と完全復活を願った。
巨人に屈辱の3タテを食らい、東京ドーム13連敗。指揮官は「東京ドームの連敗よりも、(巨人に)3タテを食らったことが悔しい。せっかくここまで(カード)勝ち越し、勝ち越しで来ていたのに」とつぶやいた。負傷以外での栗原の2軍降格は異例の措置だが、これで全選手が危機感を持つことを願うしかない。