中東びっくり7年目でプロ初弾!
「交流戦、広島7-1ソフトバンク」(14日、マツダ)
広島の7年目・中東直己外野手(31)が初回に右翼スタンドへ放り込むプロ1号。三回、五回に右前打も放ち自身6年ぶりプロ2度目の猛打賞も記録。伏兵のまさかの一発でチームも天敵ソフトバンクから3年ぶりの勝利。エース前田健も4勝目で4位浮上。交流戦でコイの大暴れを予感させる快勝になった。
1週間で3度目のお立ち台。中東は慣れた様子?でマイクに向かった。4勝目をゲットした07年同期入団の前田健と登壇。「マエケンに楽に投げてほしかった。(初本塁打に)入った瞬間はわからなかった。うれしいです」と声を張り上げた。
今季2度目のスタメン、初回に魅せた。大場の5球目、内角140キロの直球をコンパクトに振り抜くと右翼席最前列へ放り込んだ。7年目だが2軍戦でも柵越えはない。文字通りのプロ初本塁打。手に残るその感触を確かめる余裕もなく二塁ベース手前まで全力疾走した。「最初は何が起こったのかわからなかった」。打球の行方を確認すると、ようやくスピードを緩め味わうようにダイヤモンドを一周した。
続く三、五回にも右前打で出塁。共に広瀬の犠飛で生還した。3安打1本塁打で3得点。ルーキーイヤーの07年6月17日・西武戦(グッド)以来2度目の猛打賞で、チームの4年ぶり交流戦開幕白星発進、さらに10年6月4日(マツダ)から2分けを挟んで続いていたソフトバンク戦の連敗を7で止める原動力となった。
指揮官もラッキーボーイの出現にニンマリだ。野村監督は「丸がケガで出ていない。代役としてではないが活躍してくれると勢いがつく。けが人が多い中で勇気を与えてくれた」と大絶賛した。
本職の外野に加え捕手もできる万能選手として開幕1軍入り。当初は守備固めや代走での起用が中心だった。だが、少ないチャンスで結果を残してきた。好調の要因は、オフから取り組んだ打撃強化にある。東出や栗原と自主トレを実施。下半身主導の打撃フォームの構築を行ってきた「パワーがない。下半身から始動してねじりをつくれるようにしてきた」と説明した。
17日には出身地・呉でのオリックス戦が行われる。「少しピークが早かったかな」とおどけたが、「またアピールしたい。交流戦の優勝を目指して頑張る」と力を込めた。交流戦は過去8年、6度の負け越しと“鬼門”だ。ラッキーボーイが負の流れを断ち切る。