コイ3連勝!大竹も0封で自身4連勝

 「交流戦、広島2-0ソフトバンク」(15日、マツダ)

 野村鯉が無失点リレーで今季2度目の3連勝。七回途中まで投げた広島・大竹寛投手(29)が自身4連勝を飾り、防御率も1点台(1・71)に乗せた。チームは2005年の交流戦導入以降、初の連勝スタートとなり、苦手としていたソフトバンクへの連勝を7年ぶりに果たした。

 我慢、我慢の投球で大竹はゼロを並べ続けた。2‐0の七回1死二塁、代打・高谷をスライダーで空振り三振。113球の力投で後を託し、降板する右腕を本拠地の鯉党は拍手で称賛した。

 「(感覚が)合わなかった」と初回、失策と2四球で2死満塁を背負う。松田を気合の150キロで一ゴロに仕留めたが、状態は良くなかった。

 だが「焦りはなかった」と立て直すのが大竹の真骨頂。二回の2死一、二塁も切り抜けたのが「大きかった」と言う。三回以降は「石原さんにも言われ、(投球時に)体重を少し残し気味に意識した」と抜群の修正能力を発揮した。

 140キロ台中盤の直球に100キロ台のカーブを巧みに操り、相手打線を手玉に取った。2‐0の五回1死一、二塁は内川を141キロの宝刀シュートで遊ゴロ併殺。結局、6回2/3を5安打無失点に抑え、4勝目。ソフトバンク相手に初勝利を飾った。

 右肩痛から復活した昨季、学んだことは悪い中で最善を尽くすこと。今春キャンプ中盤、右肩の状態が上がらず、ペースを落とした。「上がっては下がり、その繰り返し。それは去年も今年も変わらない」。苦労を重ねたからこそ、逆境に耐える力は誰より強い。

 この日は同級生の寺原との投げ合いだった。「投げる前は意識した。テラはいい投手だし、ロースコアになると思った」と闘志。ともに高卒ドラフト1位の12年目。入団間もないころには「大竹世代と呼ばれるように」とライバル心も燃やした。5月21日に30歳になる。見事、世代対決を制して20代を笑顔で締めた。

 交流戦9年目で初の開幕連勝スタート。今季2度目の3連勝で、4位ながら3位・DeNAにゲーム差なしに迫った。野村監督は「粘り強く頑張ってくれた」と大竹をねぎらった。

 「七回の途中降板は悔しい。1人で投げ抜きたいのはある」と、今季は完投を目標に置く大竹。防御率は1・71。マエケンに続く、鯉投を支える文句なしの柱だ。

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