ニック一発回答!DHで19日にも昇格
「ウエスタン、広島4-1中日」(16日、由宇)
左膝手術から復活を目指す広島のニック・スタビノア外野手(31)が、DH制のある19日のロッテ戦(QVC)にも1軍昇格する可能性があることが16日、わかった。この日、ウエスタン・リーグの中日戦(由宇)に5番・左翼で出場。野村謙二郎監督(46)が視察する前で、4号ソロを含む3安打2打点を挙げ、復活をアピールした。
手に残る心地よい感触を味わいながら、ゆっくりとダイヤモンドを一周した。視察した野村監督の前で放った右越えソロ。ニックが自慢のパワーをアピールし、1軍昇格へ向け“一発回答”だ。
二回無死だ。カウント2ボールから左腕・浜田の外角への138キロ直球をフルスイングした。由宇の空へ高々と舞い上がった打球は、右方向でも失速しない。グングン伸び右翼席中段の芝生へ飛び込んだ。「本塁打はもちろんうれしいね。いいタイミングで打つことができたよ」。納得の一打に表情が崩れた。
四回2死は中前打。六回1死二塁では左前適時打を放った。長打力に加え、走者を置いた場面で打点を挙げる勝負強い打撃も披露。3安打1本塁打2打点の活躍だ。
2軍ながらここ4試合13打数6安打、3本塁打、5打点。打率・462と好調を維持する。野村監督にとってはうれしい悩みだ。試合後「今は連勝中なので入れ替える選手を決めるのは難しい」としながらも、「いいものをみせてくれた。DHがあるところで考えたい」と、早ければ19日のロッテ戦(QVC)からの1軍昇格を示唆した。
昨季、走塁中に左膝を負傷。前十字靱帯(じんたい)と内側半月板の損傷と診断され、7月に米国で手術を受けた。今季は4月27日のソフトバンク戦(由宇)から復帰。現在も左膝にプロテクターを装着しているため、走塁はぎこちない。しかし、この日、申成鉉の適時打で二塁から本塁へ生還した。「痛みはない。これから強くしていけば大丈夫だ」と、万全を強調した。
開幕4番のエルドレッドが右手に死球を受け骨折。栗原も不振のため2軍調整中だ。野村鯉は、一振りで試合の流れを変えられる強打者の不在が続く。「どのポジションでも頑張るだけ。活躍したい」と意気込んだ助っ人。一発の魅力を備えた助っ人が、チームの上位進出と借金返済の切り札となる。