鯉 ニックで再浮上するゾ!代打で復帰
「交流戦、広島1-2オリックス」(18日、マツダ)
交流戦開幕からの連勝は3でストップした。前夜は17安打12得点と大暴れした鯉打線だが、オリックス・金子の前に沈黙。順位も3位から5位に転落した。ただ希望もあった。この試合から左膝の故障で離脱していたニック・スタビノア外野手(31)が合流。代打で右飛に倒れたが、19日のロッテ戦(QVC)からDHでのスタメン出場が濃厚となった。
ただでは終わらないのが、今年の野村鯉だ。完封負け目前の九回、1死から菊池、中東が連続四球を選び、一、二塁。八回まで完ぺきに抑え込まれていた金子を、マウンドから引きずり降ろした。そして代わった守護神の平野佳から、代打・岩本が右前適時打を放ち、1点差。なお1死一、二塁と逆転サヨナラへの機運が高まった。
しかし、猛追はここまでだった。広瀬、ルイスが連続三振に倒れ、試合終了。交流戦開幕4連勝の夢は、あと一歩でついえた。野村監督は「あれだけいい投球をされては打つのはなかなか難しい。打線が相手投手に翻ろうされた」と完敗を認めながらも、「最後に四球、安打で得点を取れたのは、チームとしては進歩したと思う」と納得した表情で語った。
連勝は止まったが、チームにとって朗報もあった。昨年6月11日のオリックス戦(三次)で左膝を負傷したニックの1軍昇格だ。「左膝前十字靱帯(じんたい)損傷、内側半月板損傷」という選手生命さえ危ぶまれた重傷から、341日ぶりとなる1軍のグラウンド。2点を追う八回2死三塁で、代打で名前をコールされると、スタンドの鯉党から大きな拍手が送られた。
一発出れば同点の場面。ニックはその期待に応えるべく、4球目の149キロ直球を強振した。だが高々と上がった打球は、右翼フェンス前で失速。それでも「いい感じでボールは見えていた。最後はボールの下をたたいてしまったが、もっと前の方で打てていれば違ったと思う」と力負けではなく、ミスショットだったことを強調した。
ウエスタンで最近5試合で4発を放ち、上向きの状態で1軍に加わったニックに、首脳陣の期待は大きい。野村監督は「明日(19日)からDHもあるし」と、スタメンでの起用を示唆。ニックも「左膝の状態はいい。痛みはないし、打撃には問題ない。DHならば攻撃面で力になりたい」と鼻息を荒くした。順位は一夜で5位に転落したが、帰ってきた大砲の力で再び上位へ巻き返す。