堂林レギユラー剥奪危機に「取り返す」
広島・堂林翔太内野手(21)が27日、レギュラー剥奪危機に「取り返す」と意気込んだ。前日は不振により先発落ちし、欠場。連続試合出場は190でストップした。三塁の定位置は今後も確保されず、野村監督は松山、小窪らとの競争を明言。この日、堂林はマツダスタジアムでの全体練習終了後、室内で最後まで打ち込むなど打撃復調へ必死に取り組んだ。
昨季3月31日の中日戦(ナゴヤドーム)以来、421日ぶりにベンチから見た前日の試合。堂林は「サードをほかの人が守るのは悔しいものがあった。その気持ちをしっかり持って、取り返すだけ」と前だけを向き、三塁の定位置奪回を誓った。
打率・222、20打点、2本塁打、得点圏打率・212と開幕から打撃の調子は上がらない。43三振、9失策はいずれもリーグワースト2位。スタメンを外され、連続試合出場が190でストップしたのもやむをえなかった。
野村監督は「きょうのフリー打撃を見ていたら吹っ切れたように思えた。まだ3分の2以上試合はある。その中でやってもらうしかない」と言い、背番号「7」を受け継いだ愛弟子の逆襲に期待。それでも将来性を見込み、定位置を与えた昨季とは立場が違う。
「守備のリスク、相手投手や、コーチの評価を聞いて、僕が判断する。いい状態の選手を使っていきたい」と指揮官。松山、小窪、安部らの名前を挙げ、今後のサードは競争と位置づけた。
新井打撃コーチは前日はベンチ内で、この日は打撃練習で徹底指導。打席での立ち位置がベースに近過ぎることや、右手に力が入り過ぎていることを指摘した。「しばらく外すという決定事項で外したわけではない。あした(28日)スタメンで出ることもある」とは話したが「(不調が)続けば同じことになる」と、“がけっぷち”であることを強調した。
レギュラー剥奪の危機は堂林自身が一番、分かっている。この日、全体練習後は室内で最後まで居残り、打ち込んだ。緒方打撃コーチから教わった下半身主導の打撃を意識。「今は自分の打撃をゼロからじゃないけど見直している。足が付いてくれば上にもつながる。土台が大事。足ができれば自分の打撃も思い出せる。いいバットの出方は増えてきた」と復調への手応えは感じている。
「ベンチから色んな人の打撃も見たし、勉強にもなった。それはマイナスではない」。悔しさをバネにプリンスが試練を乗り越える。