「マツダオールスターゲーム２０１３」（７月１９日・札幌ドーム、２０日・明治神宮球場、２２日・いわきグリーンスタジアム）のファン投票が２８日から始まり、広島・丸佳浩外野手（２４）に球宴初出場のビッグチャンスが巡ってきた。現在、打率・３０３、リーグトップの１６盗塁と開幕から好調をキープ。野村監督も初選出を猛プッシュした。この日の日本ハム戦（マツダ）は降雨のため中止になった。

　初の球宴出場へ最大のチャンスが訪れても、丸は実感がわかない。「立てたらすごいですけど、考えたこともない。プロ野球選手としてゼロではないというレベル。選ばれればうれしいけど…。まず１年間やること」。自身が夢舞台に立つことなど、まさに夢であるかのように話した。

　２４歳はあくまで無欲だ。ただ今季ここまで、リーグを代表する選手たちに負けない成績を残している。新井打撃コーチ直伝の打法で開幕から好調をキープし打率・３０３。盗塁数もリーグトップの１６個。広島の外野手では広瀬、松山とともに、自身３年連続で投票用紙にノミネートされた。

　セ・リーグの外野手では目下、阪神・マートンに次ぐ打率２位。５月１２日の中日戦（マツダ）では左ふくらはぎ痛を抱えながら代打で２号満塁弾。２３日の西武戦（西武ドーム）でも勝ち越し３号２ランを放つなど、ファンにも強烈な印象を残す活躍を続けている。

　１軍でブレークした２０１１年に、丸はファン投票外野手部門で５位に入った。集めた１７万７８８８票は前田健の１３万０９７７票を上回るチームトップ。ただ監督推薦からも漏れて、惜しくも出場はならなかった。巨人・長野、中日・和田、ヤクルト・バレンティンらライバルは多いが、鯉党の“集票力”には定評がある。今度こそ、３位以内のファン選出切符を手に入れたいところだ。

　自身も選手時代に８度、球宴出場した野村監督も丸の出場を猛プッシュする。「選ばれることで自信になるし、メンバーの顔ぶれを見て、ここにいるんだという喜びにもなる。１人でも多くチームから選ばれて欲しい」と、鯉勢の躍進に期待を寄せた。

　この日は日本ハム戦が降雨中止となったが、丸は同級生の中田翔と談笑。「翔は持ってる男。僕は持っていないから」と謙そんしたが、夢舞台で肩を並べることは十分に可能だ。「たまたま一発屋的な感じで出ても何とも言えない。５年続けて（球宴に）出れば自信になるでしょうけど。レギュラーでもないし、地道にやります」。打率３割をキープし続ければ、必ず「吉報」が届くだろう。