大竹4年ぶり6失点、まさかの大乱調
「交流戦、広島1-8日本ハム」(29日、マツダ)
広島・大竹寛投手(30)が4年ぶり6失点し、5回KO。初回、中田に3ラン被弾すると、五回は押し出し四球など3失点と制球に苦しんだ。今季2敗目を喫し、自身の連勝は5でストップ。チームの5月の負け越しも決まった。「悔しさを次につなげたい」と雪辱を誓った。
防御率1・47の大竹がまさかの6失点を喫した。制球に苦しんだのもあるが、厳しい判定にも泣いた。
初回1死二塁、絶妙なけん制は二走・陽岱鋼を刺したかに見えたがセーフ。その後、稲葉に死球。続く中田は追い込みながら、スライダーが真ん中に入った。フルスイングされた打球は左翼席に一直線。先制を許した。「あれが痛かった。甘く入ったのをきっちり打たれた。(けん制球は)もう少し低めなら、もっと際どかった」と、試合後は悔しがった。
二~四回は持ち前の粘りで無失点を続け、反撃を待った。だがこの日の大竹は耐え切れなかった。1‐3の五回だ。1死二塁から稲葉に適時二塁打を浴びると、中田に内野安打、大谷に四球で満塁。続く今浪を追い込み、6球目の直球は内角いっぱいに入ったかに見えたが、判定はボール。結局、押し出し四球を与え、この回も3失点。試合は決まった。
今季最短タイの5回降板。6失点は09年8月15日の横浜戦(横浜)以来。自身連勝は5で止まり、防御率も一気に2・33に下降した。
「ボール球はボールなので」と大竹は判定に恨み言一つ言わず自らを責めた。「大谷の四球、押し出しの四球がミスですよね。振らせて結果を出させたかったけど、低めのボールを見逃されたらダメ。五回を抑えて六、七回といきたかった。そうすればゲームも締まった形になった」
5月は9勝12敗となり、1試合を残し、負け越しが決まった。野村監督は「後(五回)の3点が痛かった。投げて全部勝つわけにはいかない。次に生かして欲しい」と、右腕をかばった。
降板後も最後までベンチで声を張り上げた大竹は「チームに申し訳ない。申し訳ないと言うだけじゃダメ。この悔しさを次につなげたい」と、自らに言い聞かせた。
昨季は5月以降に自身最長の6連勝をマークした。「暑いのは嫌いだけど汗をかくので体にはいい。いい睡眠と食事が大事。夏でも僕は太りますから」と言う夏男。雪辱は次戦に果たす。