マエケン、大谷にやられ…鯉連勝止まる

 「交流戦、日本ハム5‐1広島」(15日、札幌ド)

 広島は終盤に競り負け、連勝は5でストップ。右脇腹痛から2週間ぶりの復帰登板となった前田健太投手(25)が、7回1/3、6安打5失点で4敗目を喫した。1‐1で迎えた八回、日本ハム・大谷に左中間へ二塁打を許し、その後、稲葉に勝ち越し打を浴びた。最速151キロ、今季自己最多タイ10奪三振の力投だったが、復活星はお預けとなった。

 肩を震わせ、うつむき、前田健はマウンドを降りた。ベンチに座ると野村監督から肩をたたかれ、ねぎらわれた。チームの連勝を5で止めたふがいなさに、エースは悔しさを隠せなかった。

 七回までは中田のソロのみの1失点と上々の内容。右脇腹痛から2週間ぶりの復帰先発ではあったが、最速151キロの直球に加え、変化球の精度も完全によみがえっていた。

 1‐1の八回、先頭打者の陽を見逃し三振に仕留め、今季自己最多タイとなる10奪三振。だが、ここから悪夢が待っていた。

 大引に四球を出すと、続く大谷には外角チェンジアップを左中間へ運ばれ二、三塁。中田はベンチの指示もあり敬遠四球で満塁。続く稲葉に三塁線へ2点二塁打を浴び、交代を告げられた。

 結局、7回1/3を5失点で4敗目を喫した。前回1日のソフトバンク戦(ヤフオク)では1/3回を6失点。2試合連続5失点以上は自身初の屈辱となった。

 「四球が痛かった。その後、つながれて二、三塁になった。先頭をうまく(三振に)取ったので…」。帰り際、バスに乗り込む前、前田健は声を絞り出した。

 大谷にやられたのも悔しさを倍増させる。二刀流ルーキーに対し、前日は「違ったボールというか、自分の持ち味を出し、抑えたい」と意気込んでいた。

 宣言通り、3打席目までは持ち味を発揮して抑え込んだ。初回1死二塁は、138キロチェンジアップで空振り三振。三回2死一、二塁では宝刀スライダーで追い込み、意表を突く119キロカーブを真ん中に投げて見逃し三振を奪った。3打席目は中飛。だが最後の4打席目、勝負どころで仕留め損なった。

 野村監督は「(八回は)スピードも出ていたし、疲れは見えなかった。大谷のところは慎重にならざるを得なかったが…」と振り返った。山内投手コーチも「素晴らしい投球だった」と責めることはなかった。

 二回は稲葉、今浪、アブレイユを3者連続三振。プロ野球334人目の1000投球回を達成した。「初めての表彰。200イニングを投げ続けた結果だしうれしい」と話していた記録。花束を受け取り歓声に応えた。

 記録を自ら祝う復活星はお預け。「(体もゲーム勘も)大丈夫」と、前を向いたマエケン。124球の力投を糧に次戦こそ勝つ。

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