鯉の執念、会沢弾!顔面死球の恐怖克服

 「交流戦、日本ハム3-2広島」(16日、札幌ド)

 広島は1点差の九回2死満塁の絶好機をつくったがあと1本が出ず、無念の連敗を喫した。「6番・DH」の会沢翼捕手(25)が1‐3の九回に反撃ののろしとなる2号ソロ。四回にも適時打を放つなど暴れたが勝利は届かず。交流戦4年ぶりの勝ち越しは逃した。

 18日には3連敗した日本ハムと交流戦最後の一戦が控える。地元で赤ヘルの意地を見せたい。

 不屈の男の一発が土壇場、鯉の執念を呼んだ。1‐3の九回、相手は日本ハムの守護神・武田久。会沢は追い込まれながら、139キロ直球を逃さずフルスイング。打球はあっという間に左翼席に飛び込んだ。

 13日の楽天戦(Kスタ)に続き、出場2試合連発となる2号ソロ。「何とか塁に出ようと思って打った結果。力まないように。それだけを打席で心がけている。力の伝わり方がいい。続けていきたい」。試合後は会心の手応えを振り返った。

 1点差に迫る反撃ののろしは鯉戦士を奮い立たせた。2死を奪われた後、代打・ルイスが左前に放つと、代打・岩本も左前へと連打。丸が四球を選び、2死満塁と一気の逆転機をつくった。

 だがあと一歩及ばない。広瀬がフルカウントまで粘ったが、最後は遊ゴロに倒れ、ゲームセット。北の大地で無念の連敗となってしまった。

 緩急を巧みに操る先発・武田勝を捉えきれなかった。鯉打線が苦しむ中、追撃打も会沢だった。0‐2の四回2死三塁から、中前に運ぶ適時打。「追い込まれるまでは打てる高さだけを狙っていた」と勝負強さを発揮。2安打2打点と自慢の打撃をアピールした。

 選手生命のピンチを乗り越えてきた。昨季8月2日のDeNA戦(横浜)で顔面に死球を受け救急車で病院に運ばれた。診断は鼻骨骨折。だがケガ以上に深刻だったのが刻まれた恐怖心だった。

 「復帰後の打席はいらいらした。僕の意識は向かって行っているのに脳が勝手に顔をそらす。人間の体はこうなっているんだと思った」

 今春キャンプは2軍スタート。それでもウエスタンで打率・358、3本塁打を残し、5月14日に昇格。1軍では少ない打席数ながらこれで打率・350。恐怖を持ち前のド根性で克服し、よみがえった。

 野村監督は「会沢はいい仕事をした。最後はいい粘りを見せた」と評価した。18日は本拠地で日本ハムと交流戦5割のかかる一戦。相手先発が予想される二刀流新人・大谷には意地でも負けられない。

関連ニュース

これも読みたい

    あとで読みたい

    編集者のオススメ記事

    野球最新ニュース

    もっとみる

      あわせて読みたい

      主要ニュース

      ランキング(野球)

      話題の写真ランキング

      写真

      デイリーおすすめアイテム

      リアルタイムランキング

      注目トピックス