野村祐“二倒流”だ!大谷斬り任せろ
広島・野村祐輔投手(23)が17日、先発する18日の日本ハム戦(マツダ)に向けて調整した。打席に入るセ・リーグ主催試合での初先発で注目を集める大谷翔平投手(18)が相手だが、昨季新人王のプライドにかけても勝利は譲れない。「打者・大谷」をきっちりと抑え込み、交流戦の勝率5割フィニッシュを力強く誓った。
「武蔵VS小次郎」の決闘から約400年。巌流島から約150キロ離れたマツダスタジアムで、歴史に残る戦いが幕を開ける。セ・リーグ主催試合で初先発する黄金ルーキー、18歳・大谷。迎え撃つのは昨季の新人王、23歳・野村である。
全国が注目する一戦へ向け、その決意は揺るぎない。「大谷はいい打者。打者の1人として考えたい。打席では投手とは思わず、気を付けたい」。持てる力をすべて注いで、斬り伏せることを誓った。
15日の札幌ドームでは、目標とするエース前田健が、「打者・大谷」に不覚を取った。同点の八回1死一塁で左中間への二塁打を打たれ、そこから4点を失った。
高卒新人とは思えない打撃技術。「あそこで打つのはいい打者。柔らかい打撃をする。流れができるところで打たれたくない。チームに流れが行かないように考えたい」。中軸を打つ可能性がある大谷。その実力を認めればこそ、警戒心を募らせる。
「投手・大谷」に投げ勝つためには、4番・中田封じも絶対条件になる。今季の広島戦は3試合で11打数6安打、打率・545、2本塁打、5打点と猛威を振るう。「大谷ばかり気にしても仕方がない。中田もいる。長打があるので気を付けないと。回の先頭を出さないように。自分の投球をしたい」と、同級生のライバルにも対抗心を燃やした。
さらに「打者・野村」として大谷攻略に腕をぶす。「今までの(対戦した)中で一番速いでしょうからね。自分の最低限のことをしたい」とニヤリ。もともと「大好き」な打撃。剛速球撃ちに胸を躍らせた。
投球フォームが崩れ、開幕当初は不振だったが完全に復調した。5月17日のオリックス戦(呉)でプロ初完投し、今季初勝利を挙げてから3勝1敗。交流戦は通算9試合で5勝1敗と好相性だ。
「マエケンさん、バリントンで2連敗しているので一つ勝ちたい。交流戦最後だし、リーグ戦の再開前に勢いを付けたい。体もフォームも感じがいい」。精密機械の異名を取る正確無比な投球で、大谷の刀を真っ二つといきたい。