松山、大谷に洗礼弾「そんなに甘くない」
「交流戦、広島4-7日本ハム」(18日、マツダ)
広島・松山竜平外野手(27)が18日、本格的に“二刀流”に挑戦した日本ハムのドラフト1位・大谷翔平投手(18)=花巻東=から右越えソロを放つなど、1本塁打2打点の活躍をみせた。チームは3連敗。今季の交流戦は4年連続の負け越しで8位に終わったが、21日からのリーグ戦再開へ、背番号37の打撃は巻き返しを図るチームにとって明るい兆しとなった。
敗戦の中にキラリと光った。そのバットで黄金新人に浴びせたプロの洗礼。大谷にとって初めての本塁打を松山が放った。
0‐0で迎えた二回無死だ。カウント1ボール1ストライクからの3球目、内角低め142キロのカットボールをフルスイングした。高く舞い上がった打球は、一直線で右中間席へ飛び込んだ。「手応えはありました。体が勝手に反応した感じ。いい感じで捉えることができた」と、納得の一振りだ。
大谷は初回に丸への初球で自己最速タイ157キロを計測するほど序盤から飛ばしていた。しかし、1、2球目とも150キロの直球で攻められた松山は「真っすぐに速さを感じなかった。これなら変化球を拾えるなと思った」と微動だにせず、3球目のカットボールをきっちりすくい上げた。
プロの意地を見せたかった。プロ6年目の今季、ようやく1軍に定着した松山。それだけに、新人の大谷に負けるわけにはいかなかった。投手と野手の二刀流に挑戦する背番号11に対し、「(プロは)そんなに甘いものじゃないというのを教えたかった」と言い切った。
三回1死満塁では遊ゴロ。最低限の仕事で三塁走者の安部を本塁へ迎え入れた。大谷は自己最短となる4回3失点で交代。松山が右腕をマウンドから引きずり降ろした。
規定打席には達していないが、この日の本塁打で、交流戦打率は・429となった。交流戦では、主に右投手が先発するときにスタメン起用されていた。21日からはリーグ戦が再開するが、野村監督は「自信を深めた。正統派の左投手のときには使っていきたい」と、左右にかかわらない起用を示唆した。
「自分のタイミングで打ちにいけている。これを続けたい」と意気込んだ背番号37。先頭に立ち、チームを悲願のCSに導く。