エルド&会沢G倒弾!一夜で3位復帰
「広島3-2巨人」(27日、マツダ)
巨人のお株を奪う一発攻勢で、3位再浮上じゃ。広島がブラッド・エルドレッド内野手(32)の同点弾、会沢翼捕手(25)の勝ち越し弾で鮮やかな逆転勝利。巨人戦の連敗を5で止めた。先発のバリントンも7回2失点と踏ん張り、4月10日以来の3勝目。負ければ自力優勝が消滅する一戦で、野村鯉が投打に意地をみせた。
久しぶりに味わう勝利の美酒に、マツダスタジアムは酔いしれた。連敗を2で食い止め、対巨人の連敗も5でストップ。負ければ自力優勝消滅の危機に立たされた野村鯉だったが、立ちはだかる“巨人の壁”を2発の大砲で吹っ飛ばした。
2点を追いかける苦しい展開。拙攻の連続でスコアボードには「0」が並んだ。またこのまま負けるのか…。そんな重い雰囲気を消し去ったのが、エルドレッドだ。六回2死三塁。ここまで2打席連続三振と精彩を欠いていた4番だったが、意地の一振りを見せた。宮国の投じたカーブをフルスイング。鋭いライナー性の打球が、ものすごいスピードで左翼スタンドに突き刺さった。
圧巻の同点5号2ラン。「真っすぐを待っていたが、うまくカーブを捉えることができたよ」。今月、新外国人のキラが加入し、外国人枠の争いが激化。そんな中で放った一撃に「仲間が増えるのはうれしいけど、その中でやらないといけない」と力強く語った。
勝負を決めたのは、会沢だ。七回2死。1ボールからの2球目だった。「8割方、変化球を狙っていた」。読み通り、来たのは外角のスライダー。振り抜いた打球は大きな弧を描き、左翼2階席に飛び込んだ。勝ち越し3号ソロ。「昨日から変化球を多く投げてきたので(変化球への)意識はあった」とにやりと笑った。
昨年まではタイミングが合えば何でもバットを振っていた。だが今年は配球を考え、狙い球を決めるようにした。「今は迷いなく振れる」。今年は開幕1軍を逃したが、その悔しさをバネに“打てる捕手”の魅力を遺憾なく発揮している。
劇的な逆転勝利で、チームは3位に再浮上した。「エルドレッドは(今後の起用を)どうしようかと思っていたところであれだからね」と苦笑し、「アツ(会沢)は最初から最後まで試合に出て、いろんな意味で成長してくれると思う」と喜んだ野村監督。宿敵巨人に一矢報いた勢いで、次は甲子園での虎退治に臨む。