武内に申し訳ねぇ…プロ初星消えた
「阪神7-4広島」(28日、甲子園)
広島・武内がプロ入り2度目の先発で六回まで無安打無得点。快挙はならず、白星までも逃したが、自身最高の投球を見せた。
初回、2死から鳥谷を144キロで見逃し三振。リズムをつかむと、「低めの丁寧に投げた」と、二回以降も冷静に凡打の山を築いた。
六回も3人で斬り、あと9人。敵地は静まる中、快挙の予感を漂わせた。だが七回先頭・大和に中前に運ばれ、甲子園は安どとため息が漏れた。
武内は「考えてなかった」と、その後も無心。1死二塁、マートンに適時打を浴びたが、続く新井を三振、代打・今成を遊ゴロ。7回2安打1失点。チームでは昨季の前田健以来のノーヒットノーランこそ逃したが、満点の94球だった。
「思ったより緊張しなかった。自信を持って投げられた」。あとはプロ初勝利の瞬間を待つのみが、暗転する。八回、守乱で逆転され、白星がスルリ。悪夢の光景をぼう然と見続けるしかなかった。
今年から寮を出て1人暮らしを始めた。「酢が疲れを取る。試合前にはタコとキュウリの酢の物を摂る」と独自で学び食生活の管理も取り組み出した。4年目の開花を心身の成長が支えている。
「1軍で1勝するのは簡単にはいかないということです。次もしっかりと勝てる投球をしたい」。悲運もなんの、前だけを向いた武内は次戦ももちろん先発予定。次こそ、鯉ナインは意地でも1勝を贈らねばならない。