鯉また自滅…守乱に続き今度は四球難
「阪神4‐3広島」(29日、甲子園)
野村鯉の借金が今季ワーストの11まで膨らんだ。連続失策で自滅した前夜に続き、この日は今季4度目となる痛恨のサヨナラ負け。広島は序盤に3点をリードしながら、投手陣が四球から失点する最悪のパターンで崩れた。不振で2軍に降格した今村猛投手(22)の穴もいまだに埋まらず、今後も苦しい戦いが続きそうだ。
悪夢の敗戦から一夜明けても、そこには明るい未来はなかった。同点で九回を託した久本が、四球連発の背信投球。最後は大和にサヨナラ打を浴びたが、自ら招いたピンチからのサヨナラ負けに「申し訳ないです」。2日連続の自滅だった。
久本だけではない。先発の大竹も無駄な四球から崩れた。3点リードの展開にもかかわらず、四回に先頭の大和に四球を与えた。そこからピンチをつくり、マートンに痛打された。「せっかく3点を取ってくれたのに、リードを守れなかった。自分のミスで点を与えた」と唇をかみしめた。
甲子園での2連敗は、今村不在の課題を浮き彫りにした。前日の八回、そしてこの日の九回は、通常ならばセットアッパーの今村の出番だった。しかし開幕から状態が上がらず、26日に2軍降格。その後は今井、久本らを代役として起用しているが、野村監督は「(起用する投手を)見極めるのに頭を悩ませている」とため息をついた。
この課題を解決する策は現状では見当たらないのが本音だ。「(2軍からの抜てきも)考えているけど、今はいる中で頑張るしかない」と山内投手コーチ。現有戦力でやり繰りすることを最優先に、今村の復帰まで耐える方針だ。
とにかく今は形よりも勝つことが第一だ。「四球を含め、やってはいけないミスをなくさないと」と野村監督。エースの前田健に連敗ストップを託すしかない。