マエケン今季初完封!復活「長かった」

 「阪神0-2広島」(30日、甲子園)

 頼れるエースの復活だ。広島・前田健太投手(25)が今季初完封、35日ぶりとなる6勝目を挙げた。9安打を浴びながら味方の好守にも助けられ、2009年4月11日・中日戦(マツダ)以来、自身4年ぶり3度目の無四球完封を飾った。連日逆転負けを喫していたチームの嫌な流れをエースが食い止め、2日から0・5差に迫る3位・中日と敵地で3連戦。さあ7月反攻じゃ!

 135球目、日高の強烈なライナーが一塁・エルドレッドのミットに収まった瞬間、前田健はホッと安どの表情を浮かべた。放心状態でナインとハイタッチを繰り返す。持てる力をすべて出し切った今季初、自身通算9度目の完封勝利だった。

 「長かった。久しぶりに勝った。久しぶりにいい投球ができた」

 甲子園でのヒーローインタビューで、35日ぶりとなる勝利の喜びをかみしめた。自分だけの力ではない。バックの堅い守りにも助けられた。三回1死一、二塁では、ルイスが本塁への好返球、ダイビングキャッチで得点を阻止してくれた。八回2死一、二塁では堂林の好守に救われた。九回はいきなり連打を浴びたが、気力で後続を断った。

 「野手の人に助けられた」と感謝しきり。それでも右打者への外角スライダーを効果的に使い、マートン、新井兄弟から計7奪三振。虎の得点源を見事に寸断した。阪神戦はこれで今季3戦3勝。計23イニングを投げて無失点と無類の強さを誇る。

 打撃でも魅せた。二回2死一、二塁で貴重な追加点となる左前適時打を放つなど、2安打をマーク。投打で躍動した背番号18である。

 5月26日・楽天戦(マツダ)で5勝目を挙げて以降、苦悩の日々を過ごした。6月2日には右脇腹痛で今季2度目の出場選手登録抹消。6月はここまで3試合で計15失点。結果が出ず、状態も最悪だった。

 「3試合続けば、状態は悪いと思うしかない。悪い中でどういう投球をするかを考える」。前日も苦しい胸中を吐露していたが、この試合は“人生初”のノーワインドアップで臨んだ。「小さいころから振りかぶって投げていたので、試合でやるのは初めて。悪いのが続き過ぎていた。何かを変えるしかなかった」。もがいた末、イチかバチかで試合前に投法の変更を決めた。試行錯誤が勝利を呼んだ。

 連日逆転負けしていたチームの嫌な流れも断ち切った。「(勝てない日々は)朝、起きた時が気持ち悪かった。球場に行くのも不安。グラウンドに行くのも気が乗らず、マイナス思考になっていた。ここから切り替えたい」。トンネルを抜け、ようやく笑顔が戻った。マエケンも、鯉もやっとよみがえった。

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