丸、大暴れ!連夜の竜倒で3位キープ

 「中日2-3広島」(3日、ナゴド)

 広島は丸佳浩外野手(24)が大暴れし、2夜連続で中日に逆転勝ちした。六回に反撃の6号ソロを放つと、八回には逆転の2点打。チームは3安打に抑えられたが、そのうちの2安打を放ち、全3得点を1人でたたき出した。チームは今季4度目の3連勝でリーグ戦再開後、初のカード勝ち越し。鯉ががっちり3位キープじゃ!

 劣勢を1人ではね返した若武者に、ナゴヤの鯉党は大興奮で拍手喝さい。丸は「どこまでも連勝を伸ばしていく」と力強く宣言。敵地でのヒーローインタビューを終えると、赤い左翼席に向かい、お決まりの敬礼ポーズで応えてみせた。

 チームは六回2死まで20歳の西川に1安打に抑えられていたが、丸が一振りで流れを変えた。4球目の内角低め139キロ直球に反応。「打った瞬間、行った」と確信した打球は、右翼席中段に飛び込んだ。

 6月2日のオリックス戦(京セラ)以来の6号ソロ。「低めの厳しい球だったけど、きれいに振り抜けた。前の打席で直球を引っかけ気味だったから、ちゃんとしたイメージを持ってその通りに打てた」と、自賛した反撃弾。この回途中で西川を降板させた。

 乗ってる男に好機は巡ってくる。1‐2の八回は、中日ルナの失策が絡み、もらった2死二、三塁の好機。左腕・高橋聡の初球142キロを今度は逆らわずに打ち返すと、三遊間を抜け左前へ。逆転2点打で勝負を決めた。

 新井打撃コーチの教えで、左投手との対戦では、右投手の時と比べて体を開いて構えている。「入ってくる球の角度に対し正対」するためで、左・右に関係なく安打が打てる秘けつだ。

 同コーチは教え子に対し「右投手の内角を本塁打。左投手には逆らわず適時打。言うことなし」と褒めちぎった。6月終盤に調子を落とし打率・285まで落ちたが、2試合連続マルチ安打で・292まで再上昇した。

 中日に“お返し” 5月11日の中日戦(マツダ)で本塁突入の際、捕手・小田と交錯し左ふくらはぎを痛めた。そこから10日間、先発から外れた。今でも完全回復はしておらず、ベースを回って踏ん張る際にはまだ不安がある。「余計なことをしてくれた」と悔しがる“因縁の敵”中日にバットでお返しした。

 チームはわずか3安打ながら、1人で2安打、全3打点。野村監督は「丸が勝負強いところを見せた」と目を細めた。連夜の逆転勝ちで3連勝。反攻の7月、赤ヘルが勢いに乗ってきた。

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