鯉、連夜の投壊…大竹3被弾で4位転落
「ヤクルト8-3広島」(13日、神宮)
2試合連続の大炎上だ。広島・大竹寛投手(30)が今季最短の4回で降板し、今季ワーストタイの6失点。12日に8失点を喫した今井と同様に、一、二回での失点だった。これで大竹は7試合勝ち星がなく、6敗目。チームは4位に転落。借金は今季最多の13に膨らんだが、3位争いに残るためにもここで踏ん張るしかない。
連夜の悪夢だ。前日の今井は一回に4点、二回に4点の計8失点。そして一夜明けたこの日は、大竹が一回に2失点、二回に4失点の計6失点。先発陣崩壊現象に、山内投手コーチは「連鎖している。何とか断ち切らないといけない」と悲愴(ひそう)感を漂わせた。
予期せぬ一発でリズムが狂った。1点リードの一回、プロ7年目で0本塁打の上田に、ど真ん中の直球を右翼席に運ばれた。あっけに取られた表情の大竹はその動揺を引きずったのか、2死後にバレンティンにバックスクリーンへ運ばれ、簡単に逆転を許した。
二回には大竹らしくないプレーも出た。2死二塁で、上田を一塁へのゴロに打ち取ったが、一塁へのベースカバーに遅れた。続くミレッジに四球を与えて満塁にしてしまい、またもやバレンティンに被弾。一気に4点を失い、試合を終わらせてしまった。
結局、今季最短の4回で降板した。6失点は今季ワーストタイ。5月22日の西武戦(西武ドーム)から7試合勝ち星がなく、5連敗。試合後は怒りに満ちた表情で、「打たれたことは反省します」と口を開くと、バレンティンの前にミレッジに与えた四球に関しては「出しますよ、四球は」と語気を強めた。
さらに「調子?普通です。もういいですか」と報道陣の質問を自ら遮り、球場を後にした。
今井に続き、大竹も序盤に崩れる内容に、野村監督も険しい表情を浮かべるしかなかった。「あのワンプレーだね、(大竹は)ベースカバーに遅れたところからピンチを作ってしまった。先制したのに前日と同じパターン。こういう試合が続くと勝つのは難しい」とつぶやいた。
チームは4位に転落し、5位ヤクルトとはゲーム差なしまで縮まった。9日のDeNA戦からの5戦で41失点。1試合平均8失点以上と、投手陣が崩壊状態だ。「何とかしないといけない」と自らに言い聞かせた指揮官。14日に先発するエースの前田健に、食い止めてもらうしかない。