野村祐8回0封初竜倒!鯉連勝3位浮上
「広島3‐0中日」(15日、マツダ)
広島・野村祐輔投手(24)が8回を5安打無失点の力投、中日と並んで再び3位に浮上した。プロ入り後、中日戦未勝利だった右腕は、走者を出しながらも要所を締める投球。自身初の竜斬りを果たした。16日も勝てば、2年連続の前半戦3位ターンが確定する。この勢いで一気にいきたい。
蒸し暑さは気にならない。8回5安打無失点で5勝目をゲット。さらに中日戦初勝利をプロ2年目、9戦目で手にした。お立ち台で野村は、額に大粒の汗をにじませながら「うれしいです」と声を張り上げた。先発としての仕事を果たし、チームを白星に導くことができた充実感で、胸はいっぱいだった。
150キロを超える剛速球はない。それでもこの右腕には低めに球を集められる制球力がある。奪った24個のアウトのうち、ゴロアウトは17個。「制球が良かった。こういうのが自分のスタイル」。打たせて取る、野村らしさ満点のマウンドだ。
直球を軸に変化球を低めに集め、持ち味をいかんなく発揮した。五回、先頭の柳田に左前打を許し、この試合初めて先頭打者の出塁を許した。それでも大島を外角低めのチェンジアップで二ゴロに打ち取るなど後続をピシャリ。八回1死一塁でも荒木を外角直球できっちりと二ゴロ併殺に仕留め、スコアボードに0を並べた。
プロ最多となる130球を投げ、無四球完投勝利を挙げた9日のDeNA戦から、今季初の中5日での登板。「体力的に悪くはなかった」。自身初の完封勝利が目前に迫った九回を前に降板したが、「チームの勝ちに貢献できうれしい」と笑顔をみせた。野村監督も背番号19の力投に、「今年1番の内容だったと思う」と賛辞を贈った。
フォームの修正が好投につながっている。本来の投球が影を潜めた開幕直後は、投球時に約1足、左足がインステップしていた。「球に力が伝わらなかった」。徐々にフォームを微調整した。4月に出場選手登録を抹消された後は、より下半身を使ったフォームの構築にも努めた。現在は「良い状態。これを続けていきたい」と手応えを深める。
球宴前、最後の登板を白星で飾った野村。3位争いが本格化する後半戦へ、最高の形で入っていける。