横山被弾、悪夢の八回…広島5位ターン
「広島2-4中日」(17日、マツダ)
広島はまたも悲劇の八回が繰り返され、大逆転負け。5位転落、借金を今季ワーストタイ13として前半戦を折り返した。2‐0の八回には、今村猛投手(22)ではなく久本祐一投手(34)を投入したが、久本は四球を連発。横山竜士投手(37)が、中日・平田にまさかの逆転満塁弾を浴びた。野村謙二郎監督(46)は「プランを練り直す」と、放心状態だった。
右翼へフラフラと上がった打球は伸びた。丸が追い、出したグラブをかすめたが捕れない。へたり込む丸。マウンドでぼう然の横山。まさかの大逆転満塁弾に、鯉党から悲鳴が上がった。
前夜と同じ2‐0の八回だ。2点リードを守れなかった今村を信頼し切れず、野村監督は久本を投入。だが悪夢にとりつかれたかのように、連夜の悲劇は繰り返された。
1死から大島に安打後、代打・山崎、森野に連続四球。満塁で横山に交代した。起用に応え和田を遊飛に打ち取った横山。あと1死。だが平田にフルカウントから粘られた10球目、高めの143キロを右翼席に運ばれた。
七回まで優位に試合を運び、逃げ切れば2年連続のAクラスターンだった。それがあとアウト4つから暗転。「猛(今村)の状態を考えて、左の森野までということで久本を選択した。打たれる以前に四球を続けて…。もったいない。後ろの整備を急がないといけない。痛い敗戦が続いている。(後半戦の)プランを練り直したい」。監督は試合後、放心状態で会見した。
横山は帰り際、「すいません」と多くを語らず。久本は「自分が悪い。ファン、チームに申し訳ない。プレッシャーに勝てる選手にならないと」と、声を絞り出した。
試合前、監督は前半戦を総括し、終盤の方程式を後半戦のカギに挙げていた。「うちは投手陣を前面に押し出していくチーム。今村、ミコで落とす試合多かった。後半戦は自分たちの力を出してもらいたい。できないことをやれ、と言っているわけではない。できていたことをやるのは気持ちの面」。後半戦へ向け、終盤の選択肢を増やしたかった指揮官だが、不安だけが増した。
八回は日替わりで 山内投手コーチは「猛を固定するか、(打者の)右・左で変わるんじゃないですか」と後半戦、“八回の男”は日替わりになることを示唆した。
DeNAにも抜かれ5位転落。前半戦を今季ワーストタイ借金13で折り返した。大混戦の3位争い。あと60試合、勝てる試合を落とせば、悲願CSは遠のいていく。