今村改造フォークでセットアッパー復権
広島の今村猛投手(22)が新フォークでセットアッパー復権を目指す。22日、マツダスタジアムで行われた全体練習に参加し、シート打撃に登板。持ち球の落差の大きなフォークを改良し、カウントを取るフォークを試投した。2軍から昇格後も不安定な投球が続く右腕が新たな武器を携え、24日から始まる後半戦で信頼を取り戻す。
感触は悪くなかった。シート打撃のマウンドに上がった今村は、後半戦に向けて試したいことがあった。1死三塁の状況を想定した中、松山に投じた球は打者の手元で少しだけ沈んだ。タイミングを外された松山は引っかけ気味の一塁ゴロに倒れた。
これが新フォークだ。「たまたま抜けただけ」とごまかそうとしたが、「三塁に走者を置く想定だから試してみた」とにやりと笑った。今までのフォークは三振を狙うため落差が大きく、ワンバウンドになる確率も高かった。しかし新フォークは、カウントを取ることを目的としているため落差が小さく、ワンバウンドになりにくい。
試作段階だが、打者の反応もよかった。松山は「真っすぐで待っていると、引っかけてファウルになってしまう」と新フォークに太鼓判。「試合で使うかはまだ分からない」と慎重な今村だが、使えるメドは立った。
今季は不振で6月に2軍降格。1軍復帰後も7月16日の中日戦では2点差のリードを追いつかれ、リリーフに失敗。野村監督は後半戦の起用について「(八回は)筆頭は今村だが、よくなかったら考える」と、悪ければ他の投手をセットアッパーに起用することを明言した。
もちろん今村がセットアッパーを務めるのが、理想であるのは間違いない。「(今までの失敗は)気にしていない」。過去は振り返らず、自分を信じて投げれば、結果はついてくるはずだ。