野村鯉が鬼門突破 東京D連敗14で止めた
「巨人2‐11広島」(25日、東京ド)
広島打線が爆発し、東京ドームの連敗を14で止めた。二回に打者一巡の猛攻を浴びせ、キラ・カアイフエ内野手(29)の5号2ランを含む7安打を集中して一挙8得点。今季4度目の2桁得点で、巨人に快勝した。東京ドームでの勝利は昨年5月2日以来。鬼門を突破した勢いで、このまま連勝頼むぞ。
たまりにたまった鬱憤(うっぷん)を、一気に吐き出した。どとうの攻撃を見せたのは二回。先頭の4番・キラの一撃が、鯉打線爆発への号砲となった。宮国の直球を捉えた打球はグングン伸び、右翼フェンスに直撃。悠々と二塁を陥れた。
無死二塁。得点を確実に取りに行くならば、送りバントがセオリーだ。しかし東京ドーム14連敗中で、相手は破壊力のある巨人。野村監督は「今日は強気に行く」と決めていた。梵に命じた作戦は強攻策。その期待に応え、中前にはじき返し、無死一、三塁と好機を広げた。
これで宮国を追い込んだ。続く松山は初球のフォークを積極的に狙った。「甘いところに来た球を迷わず振れた」。これが中前への適時打となり、まず1点。さらに堂林の四球で満塁とし、石原が左前へ適時打。前田健、ルイスの連続適時二塁打で得点を重ねた。
四球を挟み、圧巻の6連打。宮国をノックアウト状態に追い込んだが、二回の攻撃は続く。2死二塁で、この回の先陣を切ったキラが持ち前のパワーをさく裂。スライダーを打ち抜いた打球は、バックスクリーン右に吸い込まれた。8試合ぶりの5号2ラン。9日のDeNA戦(横浜)の守備で痛めた左手首は、現在もテーピングで固められているが関係なかった。
今季最多の1イニング8得点。巨人戦での1イニング8点は、01年9月27日(東京ドーム)以来、実に12年ぶりだ。これにはキラも「素晴らしい集中打だった。マエケンも打ったし、自分も走者をかえせてよかったよ」とほおを緩ませた。
猛打の最後を締めたのはルイスだ。三回に試合を決定付ける2点適時右前打。「今日を始まりに、自分たちの野球を続けるようにしたい」。この一打で今季4度目の2桁得点。東京ドームでの2桁得点は04年6月13日以来となった。
打線の奮起でチームは鬼門を突破した。「本当に選手は頑張ってくれた」と言葉を弾ませた野村監督。白熱する3位争いへ、弾みがつく快勝だった。