丸サヨナラ打!堂林はトンネルばん回弾

 「広島6-5ヤクルト」(26日、マツダ)

 丸、最高じゃ。広島・丸佳浩外野手(24)が延長十回、中前にサヨナラ打を放ち、熱戦に終止符を打った。八回には堂林翔太内野手(21)が、一時は勝ち越しとなる左越え5号ソロ。九回に追いつかれて延長にもつれこんだが、頼れる3番打者が、チームに今季4度目となるサヨナラ勝ちを呼び込んだ。これで連勝。この勢いで、もっともっと勝利を積み重ねる。

 一進一退の戦いに終止符を打ったのは丸だった。延長十回、2死一、二塁。山本哲の直球を振り抜くと、打球は中前へ抜けた。二塁走者の倉が全力疾走で本塁に走り、サヨナラのホームを踏んだ。今季4度目のサヨナラ勝利。一塁ベース付近で右手を突き上げたヒーローの周りには一瞬にして歓喜の輪が広がった。

 お立ち台に上がっても興奮は収まらなかった。「めちゃくちゃうれしい。形はどうであれ、何とか食らいつこうと思った」とホッとした表情。「二塁走者が倉さんだったので、頑張って走ってくれと思った。後でお礼を言わないといけないですね」といたずらっぽく笑い、「今日負けたら、昨日の東京ドームでの勝利の意味がなくなるので」と力強く語った。

 堂林の一発も大きかった。同点で迎えた八回。2球で2ストライクに追い込まれたが、必死に粘った。そしてフルカウントからの7球目。木谷のスライダーをフルスイング。快音を残した打球は左翼席へ吸い込まれた。

 14打席ぶりの安打は、一時勝ち越しとなる5号ソロ。2試合連続で安打がなく、この日も本塁打の打席まで、右飛、三振、三振といいところがなかった。

 しかも守備では痛恨のプレーを犯してしまった。1点リードの二回、2死三塁で、中村のゴロの打球をトンネルで同点に追いつかれた。試合後は「取り返したかった。それだけ」とだけ話した。

 2度目のオールスターは無安打に終わったが、収穫はあった。DeNAの中村から打撃のアドバイスをもらったという。「右手でボールをつかむ感じで打つと言ってました。自分でも納得できる部分があった」。今季は思うような打撃ができず、苦悩の日々が続いていただけに、今季日米通算、そして国内通算2000安打を達成した大打者の言葉は胸に響いた。

 若鯉の活躍で2連勝。野村監督は「いい試合か悪い試合かは別に、勝ったことがよかった」と強調した。今は内容よりも結果が重要な時期。このまま連勝へ弾みをつけていくだけだ。

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